第7話 夏は冷淡
僕たちの再会は、思いの外早く。
その終わりも驚くほど早かった。
顔を合わせることのない再会から少し経ったある夜、彼女からメッセージが届いていた。
「今ね、好きな人がいるんだけどさ。友達止まりなんだ。➖くんは、友達から好き同士ってあり得るのかな。」
僕は、彼女から恋愛相談を受けるべき人間ではないと思っていた。咄嗟に江戸川コナンと名乗れるほど賢くもない。
「ないことは、ないけど、そう言う人たちって出会った時からお互いが特別なんじゃない?だから、恋人は恋人として最初から出会う気がする。」チープな返信だった。彼女への疑念と、少しだけこの関係が終わってしまうことへの焦燥感。彼女の求めている答えないのかと言う迷い。
彼女からの返信が来たのは、翌日の夜だった。
「そっかぁ。じゃあ、友達からってのは...無理かな。」
「無理かなぁ。って思ってる。」
翌日から、彼女からのメッセージは少しずつ減っていった。僕は、もしかして彼女を傷付けたのかと思い悩み。秋の終わりには、お互いにメッセージをすることがぱたりと止んだ現在、16年間も連絡先に残る彼女の名前を見かける度、あの冷たい夏の記憶が蘇る。
夏は、時に思いがけない再会と冷淡な終わりを連れてくる。それが終わりに直結していようと無かろうと、曖昧な関係にはいつかピリオドが打たれる。
夏は冷淡
夏は冷淡 @Aoi_sheside
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