幕間No.2 敬語

ある昼、リカブさん宅にて…。


「なあ、ヨシヒコ君。」

リカブさんが話しかけてきた。

「はい?何でしょうか?」

「…別に敬語で話さなくても良いんだぞ?

我々は仲間なんだし、気を遣わなくても…」

「うーん…敬語ですか…。

話してると無意識にこの口調になっちゃうんですよね…。

気になるなら変えましょうか?喋り方…。」

「いや、別に無理にとは言わないのだが…。」


バァン!


突如背後から扉を蹴り開ける音が響いた。

部屋に入ってきたのは――


「…えっ…?9万職員さん…?」

しかし彼女の姿は普段の物とは似ても似つかない。

サングラスに虹色のバンダナ、そしてラジカセを肩に乗せつつ大音量でEDMを流している。


「…こんな具合でな。9万が君とのキャラ被りを恐れ出したんだ…。」

「敬語だけでキャラは被りませんよ!?

9万職員さん!心配しないで良いですよ!

貴女は癖強……個性的なキャラですから!」

「เฮ้ โยชิฮิโกะ! ฉันชื่อพนักงาน 90,000 คน! ทีนี้มาเพิ่มความตึงเครียดกันเถอะ! ว้าว!!!」

「何て!?何て言ってるんですか9万職員さん!?」


「การตักปลาทองซาวน่าภูเขาน้ําแข็งแบบพิเศษ!」

そう言うなり、9万職員さんは逆立ちでリビングを走り出した。


「リカブさん…。僕、敬語やめます…。」

「…多分無理そうだな…。」


END

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