オールラウンド・フリーメイカー

じょお

オールラウンド・フリーメイカー

よくある不遇なスキル授与

01 よくある不遇なスキル授与 その1

 またスキル系かよ!……と思った皆さん。残念ながらその通りです!……開いて見てしまったと諦めて、最後までお付き合い願いましょうか!(マテッ!)


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──よくある不遇なスキル授与──


 僕はメグ。女みたいな名前だって?……立派な女の子さ!……いやまぁ、僕って言うから他人からは男だと勘違いされるけど……髪も短いし、ね。


 歳は10歳になった……と言っても、孤児院に住んでていつ生まれたのか分からないんだけどね……赤ん坊の時に、孤児院の前に放置されてたってつい先日シスターに聞いたばかりで、それから10年経過してるから10歳だろうって話。勿論、細かい誕生日なんか分からないから、年が明けた日に孤児院の子たちはみんな一斉に年が増えるって訳。


 今年10歳になった子たちは、6の月にスキルの授与の儀式を受ける事になってる。遅く生まれた子は10歳になってない可能性もあるんだけど、分からないのは仕方ない……年の中間である6の月に行うんだって……ま、大人の事情だよね。流石に年の瀬の12の月だと忙しいからってのもあるし。


 ……なんて考えてたら、僕の番が来た。


「ほら、メグ。お前の番だぞ?」


 背後のフリッツから背中をつつかれる。くすぐったいから止めて欲しいんだけどな……


「(分かったから、突かないで!)」


「(おらおら、行かないとくすぐるぜ?)」


 小声で止めろと言ったけど、調子に乗って両手をワキワキし始めたので睨んでから離れる……大声で騒げないからって、横暴過ぎるよなぁこいつは!


(孤児院に帰ったらシバク!)


 そう誓ってから、僕は神父様が待っている祭壇の前へと歩くのだった……


◆◇◆


「メグ……目を瞑りなさい」


「はい、神父様」


 言われた通り目を瞑り、


「両手を合わせて握り、祈りを……」


 祈りのポーズでやや頭を俯かせて……目を開けてれば、祭壇の下側を見る形になるかな?……そのまま身体を固定した。子供である僕はジッとしてるのが苦手なんだけど、頑張って動かないように立っていた。


「…………」


 神父様が何やら分からない言葉……多分神聖語だと思う……で唱えている。スキル授与の為の呪文だとシスターに聞いてるからそれだと思うけど……よく舌を噛まないで言えるよなぁ……と感心しながら黙ってると、


〈オールラウンド・フリーメイカーを獲得しました〉


 って言葉を聞いた……と言うか、耳ではなくて、頭の中で響いたような感じ。


(オール? ナニコレ……聞いた事無い……スキル? なのかな……)


 神父様も同じように聞いてたみたいだけど、台座にあった本を急いでめくっている音が聞こえる。


「……ユニークスキル、だと? だが、似たようなスキルは在るようだが……」


 ユニークスキルというのは、世界で唯一のスキルの事だって聞いてるけど、まさか……僕がそんなモノを?


「恐らく、物作り系統のスキルだと思われる……が、前例が無い故、協会の上へ報告する必要がある……また、スキルの詳細を調査する必要も、な……」


 そんな事を狼狽うろたえながら伝えて来るんだけど……顔は真剣だけど目が笑ってない。何かいつもの神父様じゃなくて怖い……


「はぁ……取り敢えず、シスターに報告してからでいいですか?」


「勿論だとも……早く報告に行っておいで?」


 そう言ったので、おずおずと後退あとずさってからペコリと頭を下げて、孤児院へと急いで帰った。


 後から聞いた話では、その後は大騒ぎで僕より後のスキル授与の儀式がオザナリになって涙目なフリッツとかその他大勢の子供たちが居たとか居なかったとか……どっちだよっ!?(苦笑)


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「シスター! 僕、ユニークスキルで協会に行って調べるんだって」

「あらあら……明日には帰って来られるのかしら?」

「いや……教会じゃなくて協会だよ! 王都だから往復で最低でも3箇月は留守になるんじゃない?」

「まあまあ……それじゃお弁当が必要かしらね?」

「1食だけなら兎も角、3箇月分の弁当なんて持てないし腐るんじゃない?」


 ……なんてやり取りがあったとかなかったとか……シスター、天然入り過ぎだろ!


※村の教会と孤児院は別運営で、少し離れて建ってます……シスターは少々高齢のオバさんでおっとりタイプ。神父様は中年の権力大好きタイプで機会があれば!……と思ってる人物です(何となくメグのスキルをダシにのし上がろうとしてる感じ?)

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