第3話:サラダのことと耳鳴り。

サラダとの散歩から帰ってきた舞はサラダに水をあげようと、ほんとに

ほんの少し目を離した・・・その隙にサラダがいなくなった。


舞の家の前には幅が4メートルほどある大きめの人工の河が流れている。

舞がサラダを探していると誰か近所の人が「どこかの犬が河に落ちて

流されてる〜」って声が聞こえた。


サラダは目が見えなかったせいでガードレールの隙間から河に落ちたら

しかった。

舞はすぐにガードレールに駆け寄ると左の方向に流されていくサラダの

姿を目にした。

台風が近づいてることもあってか河の流れはいつもより早くて流れに

逆らって泳ぎきれるほどの体力は老犬のサラダには残ってなかった。


舞はパニックになりそうになったが自分を落ち着かせて何かサラダを救い

だす方法はないかと考えた。

いっそ河に飛び込もうと思った時、 近所に工事に来ていた役所の人が

持って来た長いハシゴを使ってサラダを救いあげてくれた。


サラダは溺れずにすんだが、もう息絶え絶えだった。

舞は役所の人にお礼だけ言ってすぐに動物病院へサラダを連れて行った。

でも、肺に水がたくさん溜まっているし歳のことも考えると回復は望め

ないと言うことだった。

今日1日はもたないだろうって言われた。


家に帰ったサラダは苦しい息の中舞の腕の中で与えられた命を全うした。


「サラダ・・・ごめんね・・・怖かったよね・・・ごめんね」


舞はとめどなく涙があふれたて、それから泣き続けたs。

そしてサラダを救えなかったことで、自分を責めた。

あんなに自分が無力で何もできないことって・・・目の前で大事なサラダが

苦しい目にあってるのに自分は、ただ手をこまねいていただけなんて・・・。


あんなに悲しくて胸が苦しい思いはもうは二度としたくない、そう思った。

それ以来、サラダのことを思い出すと舞は耳鳴りがするようになった。

舞は思い出したくないことを思い出してると占い師が言ったように急に耳鳴り

がし始めた。


「耳鳴り・・・」


「え?なんだって?・・・舞?」


「また、耳鳴りが始まった 」


それはどんどん酷くなり始めた・・・歩道橋での耳鳴りと同じ。

我慢できなくなって舞は思わずルシルの腕を掴んだ。

ルシルは「大丈夫か」って雫の体を支えた。


と、その瞬間だった。

目の前が真っ白になったと思ったら舞は気絶していた。

やっぱり歩道橋で起きた出来事と同じだった。


舞がハッと気がつくとナイトメアタウンに飛ばされる前にいた歩道橋の

真ん中にいた。

ゆっくり体を起こすと、すぐ後ろで声がした。


「あんた、わたしまで一緒に連れて来たわね」


その声はルシルだった。

振り向くとルシルが腕組みしてしゃがんでいた。


「分からない・・・どうなってるの?」


たぶん舞が気を失う時、ルシルと体が触れていたことが原因だったん

だろう。

舞はルシルも引き連れて一緒に人間界に帰ってきたらしい。

舞が人間界に帰れたのはいいけど今度は逆にルシルが人間界に来て

しまう羽目になった。


つづく。

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