第2話:占い師の館。
ナイトメアタウンから出られない舞は、どうすればここから人間界に
戻ることができるのか・・・。
そのことでルシルの親切で彼女の知り合いに会うことになった。
そこはものすご~く古ぼけた怪しそうな店、というより館って感じで 「divination」って書かれた看板が吊るしてあった。
「この看板なんて書いてあるの?ルシル」
「ディヴィナシオン・・・」
「なんて意味?」
「フランス語で占いって意味」
「あ〜・・・フランス語ね・・・」
舞は悪夢の世界の言語って(フランス語なの?)って思った。
でも、ルシルは普通に日本語しゃべってるし・・・。
(ま、いっか)
舞はつじつまが合わないことは、このさい考えないことにした。
店の中に入ると、大きいのや小さいのまで、いろんなシャレコウベが
ジャラジャラ吊るしてあったり 夜中に勝手に動きそうな不気味な人形が
置いてあったり黄味が悪いったら・・・ 悪い夢の世界の占い師の店らし
かった。
「じいさんいる?」
うめくような声がしたほうに・・・
胡散臭そうな爺さんが背中を丸めて体に見合わない大げさそうな椅子に
座っていた。
白いヒゲがやたら伸びて、どこが顔なんだか分からなかった。
「あ、いたいた・・・」
ルシルがそのじいさんに近づいて何か言った。
「ねえ、なんて言ったの?」
「今までの状況を説明して、舞が人間界に帰る方法を教えてくれって
聞いて見たの」
「大丈夫なの?胡散臭そうな人なんだけど・・・」
「さあね、今はこれしか思いつかなくて・・・」
「何もしなくても、そのうち帰れるかもしれないけど、それっていつか
分かんないんでしょ」
「私がここにいることだけでも悠真に知らせることできないかな?」
「誰だ、それ?」
「わたしの幼馴染・・・」
「ふん、無理だね」
胡散臭そうなじいさんは何か、どこにでも転がってそうな いびつな石を
取り出して目の前の机にばらまいた。
「ん〜・・・・・」
「ん〜・・・・・」
「ん〜・・・・・」
「ん〜ばっかじゃなくてさ、なんとか言いなよじいさん」
ルシルが腹立たしそうに言った。
「慌てなさんな・・・ん〜・・・・」
「う〜ん、でたぞ・・・」
「うんこが出たみたいに言うな、じじい」
「すまんが・・・ここから西へ4・5キロほど行ったところに「黒ガラス」
っちゅう飲み屋があるで・・・おまえそこで酒買ってきてくれんかの?」
「くそじじい、私をパシリに使う気か?・・・そんな暇はねえよ」
「じゃあいいわい・・・あのな・・・たぶんじゃがもう一回耳鳴りがしたら
もしかしたら人間界へ帰れるかもな・・・」
「いい加減なこと言うなよ」
「その子は耳鳴りがもとでここに来たんだろうが・・・」
「耳鳴りって言われても・・・・いつ起こるか分からないよ・・・」
「人間の女おまえ、耳鳴りが始まったきっかけを思い出せばよかろう」
「耳鳴りが始まったきっかけ・・・サラダが亡くなった時のこと?・・・」
舞が可愛がってたサラダって名前の「ちわわ」が亡くなった・・・。
あの日から耳鳴りが始まった。
思い出したくない出来事だったが、しかたなくその時のことを舞は思い出して
しまった。
それはとても悲しいできごとだった。
サラダは、すでに老犬「おばあちゃん」で、耳も目も不自由だった。
台風が近ずいてたある日のこと、まだ台風は来ないだろうと思った舞は
小雨の中、傘をさしてサラダと散歩に出かけた。
サラダとの散歩から帰ってきた舞はサラダに水をあげようと、ほんとに
ほんの少し目を離した・・・その隙にサラダがいなくなった。
舞の家の前には幅が4メートルほどある大きめの人工の河が流れていて、舞が
サラダを探していると、誰か近所の人が「どこかの犬が河に落ちて流されてる」
って声が聞こえた。
つづく。
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