普通の宇宙人シリーズ 2025年編
@tomoegawa198906
第1話 星を繋ぐ約束
モッパ星、首都グリーナの我が家。窓の外には三つの月が浮かび、淡い緑色の光を放っている。
僕はスペースメールの受信ボックスを何度も確認した。
最後に野口さんからメッセージが来たのは、地球時間で二ヶ月前。
『モッパ君へ
グリーン・ハーモニーが全国三百カ所に広がった。
孫の健太が、宇宙飛行士になった。国際宇宙ステーションに行くそうだ。
君たちに会わせたい。
でも最近、世界が少しおかしい。
政治家たちの目が変わった気がする。
考えすぎかもしれないが……
また連絡する。
野口』
それきり、返信はない。
「兄さん、まだ来ないの?」
ピッパが覗き込んだ。彼も今や地球換算で28歳、モッパ星では700歳になる。
その時、受信音が鳴った。
差出人:noguchi.haruko@earthmail.jp
『モッパ様
私は野口晴夫の妻、春子と申します。
夫から、あなた様のことは聞いておりました。
夫は先週、眠るように旅立ちました。
心臓発作でした。苦しむこともなく、穏やかに。
もし本当に、あなた様が存在するのなら。
孫の健太が、今、宇宙にいます。
国際宇宙ステーションで。
夫の遺志を、健太に伝えてあげてください。
野口春子』
画面を見つめたまま、僕は動けなかった。
「野口さんが……」
父パッパと母マッマが部屋に入ってきた。
「でも、父さん」
僕は言った。
「野口さんの最後のメール。『政治家たちの目が変わった』って」
父の表情が変わった。
「まさか……レプティリアンが」
部屋に重い沈黙が落ちた。
「地球に行こう」
母が即座に言った。
「プレアデスのキッチュ星にも連絡を」
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