声が枯れるまで
青芭 伊鶴
第1話
日記を書くようになった。いつからなのかは、正直覚えてない。
でも、私がこうやって誰かのために書こうと思ったのは、初めての事だと思う。今まではそんな事をしようとも思わなかったから。
それに、机に向かってノートを開いて、ペンを持って書き出す。そこまでがスムーズにいかない障害にかかっているので、なかなか難しいというのが現実である。
私は常々、物書きに向いていないのだなと思う。
今日の日記を書いていこうと思う。
2025年12月28日(日曜日)
何があったかっていうわけではない。ただただ苦しかった。
涙が出てきた。つらい。誰かに認められたという記憶がない。認められていないのならば、消えたってかまわない。将来だって真っ暗だ。
それくらいには自分を追い込んでいたのは分かっていた。だが、事実上、誰が私を認めてくれるというのだろうか。
親? 兄弟? 親戚? 従妹? 全部違う。
学校の同期? 職場の同期? 先輩? 上司? 先生? 全部違う。
私には何も残されていない。何も。どう足掻いたって全部無駄で、話したくても話せなくて、ただただ胸の苦しみしか残されていなかった。
人に悩みの種を植え付けたって、彼らが苦しむだけ。
では、私が我慢していれば済む話なのではないかと、衝動的に考えてしまうのだ。
声が枯れるまで 青芭 伊鶴 @yuta3note
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