天草茂、14歳。両親が事故で亡くなった日の夕刻。

​茂は、その日も完璧な演技を終え、舞台袖でマネージャーであった神代律に水を渡されていた。観客の拍手は雷鳴のように響き、茂の心臓は高揚感で満たされていた。しかし、次の瞬間、律の顔色が青ざめる。

​「茂くん、落ち着いて聞いて。お父さんとお母さんが…」

​その一言が、茂の人生の光を完全に消し去った。

​葬儀の日、カメラも、大人たちの期待もなかった。あるのは、病弱な妹・寧々の小さな泣き声だけだった。茂は、母の教え通り、その場の感情を「語ろう」とした。悲しみ、絶望、虚無...。だが、喉から出てきたのは、何の意味も持たない、ただの空気の振動だった。

​かつて、彼の身体にいくつもの人格を宿らせたはずの「語りの力」は、両親の死というあまりに大きな現実の前で、完全にその機能を停止した。茂にとって「演じること＝語ること」は、両親との繋がりであり、自己の存在証明だった。それが断たれた今、彼は、自分が何者であるかすら分からなくなった。

​僕の体は、ただの器になった。中にはもう、誰もいなかった。

​

​それから二年。茂は誰とも深く関わらず、ただ静かに、妹・寧々の看護と学業だけに時間を費やした。世間からは「天才子役、悲劇の引退」と報じられたが、茂にとってそれはどうでもよかった。

​彼の部屋の隅には、埃をかぶったトロフィーと賞状が積み上げられていた。彼はそれを捨てることもできず、かといって見つめることもできなかった。それらは、今の自分とは無関係な、別人の輝かしい過去だった。

​茂が最も恐れたのは、誰かに「演技をして」と求められることだった。もう、彼には「演じられる自分」がいなかったからだ。鏡を見ても、そこに映るのは、かつての輝きを失った、ただ静かで空虚な少年・天草茂だけだった。

​高校生になった茂の生活は、妹の体調に完全に依存していた。夜、寧々の病室で、茂は日々の疲れを癒していた。

​ある夜、寧々はタブレットを手に、楽しそうに笑っていた。画面に映っていたのは、派手なエフェクトと奇抜なアバターをまとったVTuberの配信。その声は陽気で、画面の向こうの誰かを懸命に笑わせようとしていた。

​寧々がタブレットを見つめるその顔は、以前、茂が子役としてテレビに出ていた頃に見せた、純粋な笑顔と同じだった。

​その時、茂の心に、二年間途絶えていた感情が、かすかな火花となって蘇った。

​「...誰かを笑顔にできるかもしれない」

​それは、拍手や賞賛を求める「天才子役」の欲望ではない。ただ、目の前のたった一人の大切な人を笑顔にしたいという、純粋で切実な、兄としての願いだった。

​VTuber――それは、顔も本名も、過去の経歴も問われない、匿名性の「仮面（アバター）」。茂にとって、その匿名性は、過去の「天才」という呪縛から逃れるための、唯一の安全な場所に見えた。

​もし、この仮面をかぶれば、過去の天才子役ではない、新しい自分として、再び「語る」ことができるのではないか？

​

​茂は、夜な夜なパソコンに向かい、VTuberについて調べ始めた。彼は、自分の才能を売り込むのではなく、「語り」の場所を求めていた。

​そして、彼は元事務所の雑用係だった九条イオリが立ち上げた、小規模なVTuber事務所「ユグドラシル」の『新人VTuberオーディション』のバナーを見つける。

​応募フォームを開き、名前や経歴の欄を見たとき、茂の指は止まった。ここにかつての輝かしい過去を書けば、合格は容易かもしれない。だが、それではまた、「天草茂」という仮面をかぶることになってしまう。

​茂はすべての欄を空白にし、ただVTuber名に、「天宮 優（あまみや・ゆう）」という、穏やかで優しい響きの名前を打ち込んだ。

​応募ボタンを押した瞬間、高揚感はなかった。ただ、二年間沈黙していた茂の心に、「再生」への静かな決意が、確かな重みを持って刻み込まれた。それは、天才の再起ではなく、一人の少年が、妹のために、そして自分自身のために、もう一度「語り」を始めるための、孤独な一歩だった。

一次審査と神がかり的な声の裏側＿＿＿

​数日後、イオリから簡潔なメールが届いた。『一次審査通過。面接についてご案内します』

​事務所側視点：九条イオリの所見

​イオリは、大量の応募者のボイスファイルを審査していたが、「天宮優」のファイルは、異質だった。

​「なんや、この声...。感情をコントロールする技術が、完璧すぎる。悲しみを表現しとるんやけど、聴き手が勝手にその感情に引きずり込まれていく。まるで、音の粒子で感情を解析しとるみたいや。こんな『語り』、どこで身につけたんやろうか？」

​イオリは、その声に何十年もの舞台経験を持つプロの技術を感じ取ったが、履歴書は真っ白。その矛盾こそが、イオリの好奇心を掻き立てた。

​「この子は、過去の才能を全力で隠そうとしとる。でも、隠しきれへんほど、声に物語が染み付いとる。これは、ウチのコンセプト『匿名での再生』に、この上なくフィットしとる。この声の持ち主は、過去を捨てて、新しい自己を構築しようとする強い意志を持っとるはずだ。この子は...本物だ。」

​イオリは、即座に合格を決定。VTuber業界のプロデューサーとして、この「空白の履歴書」を持つ才能に、未来を賭けることを決意した。

​6. 二次審査：イオリとの対峙

​ビデオ通話が繋がる。画面の向こう、エネルギッシュな名古屋弁のイオリが、茂の顔を見て、一瞬、目を見開いた。

​九条イオリ：「えーっと、天宮優くん。ウチは九条イオリだで。まず聞きたいんやけど、経歴、何にも書いてないけど、自信作とかないの？あんまりにも綺麗すぎるんよ」

​茂は、静かに、顔を上げ、カメラを見つめた。

​天宮 優：「はい。自信作とか、そういうのはもうありません。ただ、また誰かを笑顔にできたら、って...」

​茂の瞳の奥には、虚無感と、しかし揺るがない静かな決意が混在していた。

​九条イオリ：「...ふうん。天性の声の才能があるのは分かっとる。正直、あんたなら役者としてまた舞台に戻った方が、金にも名誉にもなるやろ。なんで匿名でやろうとするん？」

​天宮 優：「誰かの期待に応える『完璧な演技』は、もうできません。でも、この仮面（アバター）なら、誰にも邪魔されずに、ただ、語り続けることができる気がしたんです」

​茂の言葉は、訥々としていたが、その奥に潜む「過去への拒絶」と「表現への渇望」は、イオリに明確に伝わった。

​九条イオリ：「...面白いね。あんたのその声、すごくいい。なんか、いろんな物語を背負ってる感じがする。ええよ。ウチは、あんたのその再生の物語に賭ける。合格だで。ウチが、あんたが本当に語りたいことを見つけるまで、この仮面を守ったる」

​こうして、元天才子役・天草茂は、VTuber「天宮優」として、静かに、そして確かな一歩を、再生への舞台へと踏み出したのだった。

合格から数週間後。茂はイオリから送られてきたアバターと機材をアパートの部屋に設置した。夜、寧々が穏やかな寝息を立て始めたのを確認し、静かにヘッドセットを装着する。

​パソコンの画面には、中性的な表情と憂いを帯びた瞳を持つ、僕のアバター「天宮優」が映っている。この仮面の向こうに、かつての天草茂の面影はない。

​マイクのスイッチを入れる。

​かつて、舞台の幕が上がる直前、全身を駆け巡ったあの身を切られるような高揚感は、今はなかった。あるのは、静かで、冷たい緊張感だけ。まるで、凍った湖の上を、恐る恐る歩き出すような感覚だ。

​チャット欄には、ファンでもない、ただの好奇心を持った数人の視聴者が待機している。

​深く、一度だけ息を吸う。そして、口を開いた。

​「...はじめまして。天宮優です。今日から、この世界で、皆さんと一緒に、新しい物語を紡いでいきたいと思っています」

​第一声は、完璧にコントロールされていた。それは、かつて日本中を魅了した天才子役の声。だが、そこには、求められる演技の重圧はなく、ただ、優しく、穏やかに語りかけるという意思だけが宿っていた。

​僕は、VTuberとしての抱負や、少しだけ自分の好きなものを、静かに語っていった。それは、派手なゲーム実況でも、過激な煽りでもない、まるで深夜の独り言のような、静謐な雑談だった。しかし、その一つ一つの言葉には、天草茂が培ってきた**「語り」の技術**が、無意識のうちに宿っている。

​「僕がこの活動を始めた動機ですか？...そうですね。誰かの心に、静かな安らぎを届けられたら、と思ったんです。それは、きっと、僕自身が求めているものなのかもしれません」

​そつなく、完璧に、そして平穏に、初配信は終了した。

​チャット欄は、熱狂こそなかったが、確かな感想で満たされていた。

​『声に深みがある。ただの雑談なのに、まるで物語を聞いているみたいだ』

『この人、絶対プロだろ...。声優？』

『雰囲気が独特。寝る前に聞きたい』

​僕は、ホッと安堵の息を漏らし、静かにマイクをオフにした。

​「よし...大丈夫。誰も、気づかない」

​僕の過去は、この仮面が、完璧に守ってくれた。

​8. 寧々への秘密：最も大切な嘘

​翌朝、リビングで朝食をとっていると、寧々がタブレットを手に、僕に話しかけてきた。

​「お兄ちゃん、最近ね、また新しいVTuberさん見つけたんだ」

​僕の心臓が、微かに跳ねた。平静を装い、コーヒーカップを口に運ぶ。

​僕：「へえ。どんな人なんだい？」

​寧々：「うーんとね、天宮優さんっていうの。声がね、すごく優しくて、落ち着くの。なんか、お兄ちゃんが、昔、寝る前に読んでくれた絵本みたい」

​寧々が、僕の声を褒めている。しかも、それが、かつての**「天才子役」の演技ではなく、現在の「天宮優」**の語りだと無意識に認識している。

​寧々：「ねえ、お兄ちゃんも聞いてみてよ。この人の声、なんだか、お兄ちゃんがそばにいるみたいで安心するんだ」

​寧々がタブレットを差し出す。画面には、僕のアバター「天宮優」が映っている。

​僕は、心の中で複雑な感情が渦巻くのを感じた。喜び、安堵、そして、欺瞞の罪悪感。

​僕：「あ、ごめん。僕は最近忙しいから、また今度ね。でも、寧々が笑顔になるなら、良かった」

​僕は、すぐに話を逸らした。寧々に、この活動を知られるわけにはいかない。これは、寧々を笑顔にするための「語り」だ。だが、もし知られれば、寧々は僕の過去の苦しみを知り、自分自身の病状が兄のVTuber活動の動機だと知ってしまう。

​僕：「寧々が、元気で笑っててくれることが、僕にとって一番大切なんだから」

​そう語る僕の声は、寧々に対する兄としての真実の感情だった。だが、それが、VTuber天宮優であるという、最も大切な嘘を隠すための言葉でもあった。

​寧々は、純粋な瞳で僕を見つめ、頷いた。

​寧々：「うん。お兄ちゃん、ありがとう」

​その笑顔に、僕は救われると同時に、この秘密を絶対に守り抜くと、改めて心に誓った。それは、「天才子役」の仮面を脱いだ僕が、今、「優しい兄」という仮面をかぶり、始めることになった、最も繊細で、危うい「演技」だった。

天宮優の静かな配信は、熱狂的ではないものの、安定したリピーターとアーカイブ再生数を獲得し始めていた。その「声の説得力」は、業界内で静かに話題になりつつある。

​活動開始から数週間後、茂は九条イオリからビデオ通話を受けた。

​九条イオリ：「天宮くん。あんたの配信、悪くないで。新規の獲得率は低いけど、リテンション（定着率）がバカ高い。ファンはあんたの『語り』に中毒になっとる。でもな、このままじゃアカン」

​画面越しのイオリは、エネルギッシュな名古屋弁で捲し立てた。

​九条イオリ：「VTuber界隈では、『相互接続（コラボ）』は必須なんや。あんたの静かすぎる語りだけじゃ、いつか飽きられる。他者の『語り』とぶつかり合って、新しい化学反応を起こさなあかん。分かったか、定期的にコラボしろ」

​天宮 優：「...コラボ、ですか。僕は、誰かと一緒にやるのは...」

​茂は戸惑った。匿名性は守れても、他者と深く関わることは、自分の「仮面」が剥がれるリスクを伴う。

​九条イオリ：「過去を恐れとる場合ちゃうわ！今回は、あんたと同じ時間帯（深夜）で活動しとる同期組と組んでもらう。まずは内部での相互接続からや。相手は、ルカ・フェルナンデスとエリオ・グレイだで」

​天宮 優：（心の中）ルカ・フェルナンデス...情熱的な語り部。エリオ・グレイ...沈黙を美徳とする語り部。真逆の二人が相手か……。

​10. 初コラボ：静寂、炎上、そして哲学

​コラボ配信当日。茂はヘッドセットを装着し、画面に並んだ二人のアバターを見つめた。

​一人は、情熱的な闘牛士のような姿をしたルカ・フェルナンデス。そしてもう一人は、フードを深く被り、アバターの表情すらよく見えないエリオ・グレイ。

​ルカ・フェルナンデス：「オレの語りの炎が、やっとお前の静かな湖を温めてやれるってわけだ。おい、優！この退屈な雑談配信から、オレがお前を解放してやるっつってんだろ！」

​ルカの情熱的で挑発的な口調に、茂は思わずマイクの前で一歩引いた。この熱狂は、かつて舞台で浴びた熱狂と似ている。しかし、ルカの「語り」は、誰かの期待に応えるのではなく、純粋なエネルギーをぶつけてくる。

​天宮 優：「...ルカさんの熱意には圧倒されます。僕は、皆さんのように、派手なものはできませんが、よろしくお願いします」

​ルカ・フェルナンデス：「なんだその遠慮は！もっと感情を爆発させろよ！お前の静かな語りは、まるで魂が眠っているみたいだぜ！」

​ルカがゲーム実況のテンションで茂を煽る。その時、長らく沈黙していたエリオ・グレイが、ボイスチェンジャーで低く加工された声で、一言だけ呟いた。

​エリオ・グレイ：「...魂は、眠っているのではない。沈黙しているのだ。」

​ルカ・フェルナンデス：「エリオ！てめぇ、今喋ったのか！？」

​天宮 優：（心の中）沈黙...。そうだ、僕の語りは、眠っているのではなく、沈黙している。言葉にならない部分にこそ、僕の真実がある。

​茂は、ルカの「炎の語り」に晒されながら、エリオの「沈黙の語り」に、自分の存在を肯定されるような奇妙な感覚を覚えた。

​コラボ配信終了後

​配信は、ルカの熱狂と、天宮優の穏やかな対応、そして時折挟まれるエリオの哲学的な一言という、異質な化学反応を生んだ。チャット欄は「カオスだが、なぜか心地いい」という感想で溢れた。

​マイクをオフにした後、茂は疲労を感じながらも、確かな手応えを感じていた。

​僕は、誰かの期待に応える演技ではなく、僕自身の語りをぶつけることができた。そして、その語りが、ルカの熱狂とも、エリオの沈黙とも、共存できると知った。

​この経験は、天宮優の「語り」が、過去の呪縛から解き放たれ、VTuberという新しい世界で「再生」していくための、大きな一歩となった。

​このコラボを通じて、茂は初めて事務所の同期という「競争相手であり理解者」の存在を知ることになりました。

寧々視点＿＿＿

私のベッドサイドには、いつも古いアルバムがある。病室に持ち込んだ、たった一つの大切な宝物。

​ページをめくると、テレビの中で見た、キラキラしたお兄ちゃんがいる。天草茂。世間が**「天才子役」**と呼んだ、あの頃のお兄ちゃん。

​あの頃のお兄ちゃんは、いつも遠くにいた。テレビの光の中にいて、私に手を振ってくれるけれど、私には触れられない。お兄ちゃんの演じる役は、悲しい時も、怒っている時も、完璧すぎて、時々怖かった。まるで、お兄ちゃんの身体の中に、全然違う誰かがいるみたい。

​ママがよく言ってた。

「茂くんの語りは、魂の奥から引き出されている。でも、それが、いつかあの子を壊さないか心配だわ」

ママの声も、もう遠い。

​そして、あの事故の日。お兄ちゃんの光は、プツンと消えた。お兄ちゃんは、もう誰のためにも笑わなくなったし、誰のためにも「語る」のをやめた。トロフィーが積まれた部屋で、お兄ちゃんの目は、いつも遠く、何も映さない虚無を抱えていた。

​あの頃の私は、お兄ちゃんが笑ってくれれば、それで良かった。

​両親が亡くなってから、お兄ちゃんは私のすべてになった。

​私の隣にいる今のお兄ちゃんは、全然「天才子役」じゃない。朝ごはんを作ってくれる、ただの優しいお兄ちゃん。私を心配して、夜、私のベッドの隣でうっかり寝ちゃう、少し不器用なお兄ちゃん。

​でも、時々、お兄ちゃんは「あの時の顔」をする。

​それは、私を安心させようと、完璧な笑顔を作ってくれる時。すごく優しい笑顔なんだけど、目だけは笑ってない。昔、テレビで見た、「悲しいのに笑う役」と同じ顔。

​「お兄ちゃん、大丈夫？」

​私がそう聞くと、お兄ちゃんは、私を抱きしめてくれる。その抱擁は、嘘じゃない。でも、私は知ってる。お兄ちゃんは、私に心配かけないように、私のためだけに、毎日「お兄ちゃん」を演じてくれているんだって。

​それが、私の心を支えている。同時に、私のせいで、お兄ちゃんがまた「仮面」をかぶってしまったんじゃないかって、胸が苦しくなる。

​最近、私には秘密の楽しみがある。それは、深夜の天宮優さんの配信を聞くこと。

​天宮優さんは、本当に不思議な人だ。派手なことは何もしないのに、声を聞いていると、心が温かくなる。特に、この前読んだ絵本の朗読。お兄ちゃんが、昔、寝る前に読んでくれた子守唄みたいで。

​寧々：「この人の声、なんだか、お兄ちゃんがそばにいるみたいで安心するんだ」

​この前、お兄ちゃんにそう伝えたら、お兄ちゃんは少し慌ててた。

​（たぶん、お兄ちゃんは知らないんだろうな。天宮優さんが、お兄ちゃんの声にすごく似ていること）

​でも、私は知ってる。

​天宮優さんが「誰かのために静かな安らぎを届けたい」って語る時、その声の奥にいるのは、紛れもなく、私を抱きしめてくれる「今のお兄ちゃん」の優しさなんだ。

​私にとって、天宮優さんは、お兄ちゃんが「お兄ちゃん」という役割を忘れて、ただ純粋に、自分の優しさを語れる場所なんだと思う。

​私が笑うと、お兄ちゃんは安心する。

お兄ちゃんが「天宮優さん」として語ると、私は安心する。

​お兄ちゃんが、私に秘密にして活動していることも、私には分かる。これは、私の笑顔を守るための、お兄ちゃんの孤独な戦いだ。だから、私は絶対にこの秘密を口にしない。

​私は、お兄ちゃんが、いつか、天才子役の仮面も、優しい兄の仮面も、そしてVTuberの仮面も、全部脱いで、ただの天草茂として、心から笑える日が来ることを、静かに願っている。

​それまで、私は、お兄ちゃんの傍で、お兄ちゃんの「語り」を、一番近くで聞いている。私のお兄ちゃんは、誰にも奪わせない、私だけの「語り部」なのだから。

【ユグドラシル】天宮優、マジで元天才子役説 Part.3

​1 名前：名無しさん＠お腹いっぱい。[] 投稿日：2025/12/07(日) 22:00:00.00 ID:vtuber_otaku

ルカ・フェルナンデスとのコラボ、みんな見たか？

ルカの炎上の語りにも全く動じない優さんの静かな対応がヤバすぎた。まるで「舞台上のプロ」と「ただの陽キャ」の対比。

やっぱ、コイツ、ただもんじゃねぇだろ。あの噂、マジなんじゃねえの？

​2 名前：名無しさん＠お腹いっぱい。[] 投稿日：2025/12/07(日) 22:02:15.22 ID:sokkun

見た。エリオ・グレイが「沈黙しているのだ」って一言だけ入れてきたのも震えたわ。あれって優さんの「仮面の裏側」を言い当ててるだろ。

優さんは沈黙の中で、何かを必死に隠してる。

​3 名前：名無しさん＠お腹いっぱい。[] 投稿日：2025/12/07(日) 22:04:40.55 ID:kamen_mania

​1

同意。普通の新人VTuberならルカの挑発に感情的に反応するか、笑いでごまかす。でも優さんは、「ただの雑談」すら完璧な芝居として昇華させてた。

あの声の揺らぎのコントロールは、訓練じゃなきゃ無理だろ。

​4 名前：名無しさん＠お腹いっぱい。[] 投稿日：2025/12/07(日) 22:06:08.31 ID:yume_wo_otaku

​3

でもさ、もし本当に元天才子役の天草茂だとしたら、なんでVTuberなんて選んだんだ？

子役時代はあんなに華やかだったのに、わざわざ匿名で地味な雑談配信？動機が謎すぎる。

​5 名前：名無しさん＠お腹いっぱい。[] 投稿日：2025/12/07(日) 22:08:33.98 ID:hikari_shining

​4

逆だろ。彼はもう「天才子役」の重圧に耐えられなかったんだ。両親も亡くなって、あんなに才能を消費されたら、表舞台は怖いだろう。

VTuberの匿名性は、彼にとって「誰にも邪魔されない、自分だけの語りのリハビリ場所」なんだよ。

​6 名前：名無しさん＠お腹いっぱい。[] 投稿日：2025/12/07(日) 22:10:22.09 ID:otokogi

優さんの配信は本当に心が安らぐ。他のVTuberは「ファンを楽しませるための語り」だけど、優さんの場合は「自分自身の心を整理するための独白」を聴かせてもらってる感じ。

あの声、子役時代の輝きとは違う、もっと人間味のある温かさがあるんだよ。

​7 名前：名無しさん＠お腹いっぱい。[] 投稿日：2025/12/07(日) 22:13:55.77 ID:vtuber_otaku

ジョン＝リークのコメントはまだか？

あの語りの美学者が、優さんの「完璧な技術」をどう分析するか気になる。彼なら感情の欠落を指摘してきそうだ。

​8 名前：名無しさん＠お腹いっぱい。[] 投稿日：2025/12/07(日) 22:15:10.12 ID:sokkun

​7

ジョン＝リーク「彼の語りは美しく洗練されているが、その声の奥に、『誰にも見せたくない過去』という名の泥を隠している。美学としては未完成でしょう？」とか言いそう。

​9 名前：名無しさん＠お腹いっぱい。[] 投稿日：2025/12/07(日) 22:17:44.33 ID:kamen_mania

イリヤ・マーリンのデータ班がもう動いてるだろうな。

優さんの声の周波数解析して、「感情のコントロールパターンが、過去の特定の表現者と99.98%一致」とか発表しそう。

​10 名前：名無しさん＠お腹いっぱい。[] 投稿日：2025/12/07(日) 22:20:01.05 ID:yume_wo_otaku

結局さ、優さんが誰であろうと、彼の語りが「本物」であることは間違いないんだよ。

仮面をかぶることで、逆説的に「本当の自分」を表現できてるっていうのが、VTuberの醍醐味だろ。

俺は応援するぜ。

​11 名前：名無しさん＠お腹いっぱい。[] 投稿日：2025/12/07(日) 22:22:33.19 ID:giman_gimon

​10

美談にするな。

鏡野ミコトが言ってた通り、「欺瞞」の可能性もあるんだ。過去の才能をひけらかし、妹の病気を盾にして同情を誘ってるだけかもしれない。

あの完璧すぎる笑顔（アバター）の下で、本当に何を考えてるのか、誰も知らない。

​12 名前：名無しさん＠お腹いっぱい。[] 投稿日：2025/12/07(日) 22:25:05.47 ID:vtuber_otaku

​11

ミコトくん来たー！相変わらず重いな。

でも優さんのファン層、特に音無ユウナみたいな「沈黙のリスナー」が多いのは、あの声が「欺瞞ではない何か」を語ってるからだと思うけどな。

俺たちの心は、静かな真実を求めてるんだ。