未踏の聖地(を、あの最推しと)巡礼中(⁉)
@je3m8xK1
第一話 ハプニング?なにそれ美味しいの?
ついにこの日がやってきた。ナマケモノの化身たるこの僕が(いや、これではナマケモノに失礼か)、嫌で嫌で仕方がなかった短期バイトを
何重にもセットしておいたアラームの追っ手を、それは見事に
「これって、もう一種の才能だよな…」
などと妄言を吐いていたところ、僕はホームへと続く階段に
「っ……いってえ…」
用意周到に詰め直した荷物が功を奏し、なんとか致命傷は免れたものの、やはり痛いことに変わりはなかった。そのうえ、周りの視線も痛い。もちろん、物理的にだ。これがアニメの世界なら、可憐な美少女がどこからともなく颯爽と現れ、主人公である僕(せめてもの現実逃避だから許して…)に優しく手を差し伸べてくれるはずだけれど、そんなはずもなし。触らぬ神に
気を取り直して立ち上がり、僕は再び階段を上っていく。言わずもがな、同じ
大丈夫だ。問題ない。ああ、そうだとも。たった三時間の遅延など、痛くも
辺りを綺麗に掃除したところで、ほっと一息つく。車窓に映る景色の速いこと速いこと。ああ、胸が躍る。光の速さで移動する技術(?)に感謝しつつ、待ち時間でゲットしてきたクッキーを口に放り込む。もし遅刻していなければ、この芳醇な香りを楽しむことも、隣に素敵な女性が座ることもなかっただろう。ぼた餅なんて今日び聞かないが、神さまはちゃんと見てくれている。これで無事、度重なるハプニングは帳消しとなった。
溢れ出る愉悦に浸りながら、僕は数奇な旅路に思いを馳せた。
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