この連載の気持ちよさは、“子どもチーム”が最初から芯になっているところ。揺れない友情、迷わない選択、現場の身体感覚。読者が置いていかれないのは、彼らが物語の軸として立っているからだと思う。
その一方で、いちばん大きく動くのは大人たち。保護する側、導く側、裁く側――そういう立場の人間が、主人公と関わることで「正しさの運用」を変えざるを得なくなる。ここが熱い。主人公が“強くなる”物語というより、主人公が関わった相手の価値観が組み替わっていく物語として読める。
神話的な仕掛けや冒険のスケール感があるのに、芯はずっと「人が変わる瞬間」にある。少年漫画の王道の快感を、小説の言葉でちゃんと浴びられる作品。