第7話 結婚したい人
「やりましたね、聖女様!」
マイラがはしゃいでいる。
「ええ、ですが……、私が王太子の嫁ということには違いないらしいですね」
「これから誰かわからない人と婚約させられるのですか……」
マイラは落ち込んでしまった。
「アルトと……、結婚できたら良かったのになぁ……」
聖女様はとんでもないことを言った。俺と結婚したい?俺は王族じゃないから無理だぞ。
「聖女様、こいつだけはダメです!いざという時に頼りになりますが、基本的にはクズです!触ってはいけません!犯されます!」
おいおい、いくら俺がクズだからといって、言ってはいけないことだってあるだろう。
「アルトはどうですか?私と結婚したいですか?」
「へ?まぁ、聖女様は可愛いからなぁ。男なら誰でも結婚したいんじゃないですかね?」
「私はアルトに聞いているのです!どうなんですか?!」
聖女様は真剣な表情で俺に聞いてきた。何で?ここは正直に答えてやるか。
「俺は結婚したい。ソフィアを孕ませたい」
俺がそう言うと、聖女様は満面の笑みを浮かべた。
「その言葉が聞きたかったのです!私はそれだけで幸せです!それじゃあ」
聖女様は部屋に入ってしまった。機嫌が良さそうだった。
「アルト、勘違いするなよ。お前は平民だ。聖女様とは到底結ばれない身分なんだぞ!」
「そんなことわかってるよ。俺は言わされたんだ」
マイラは凄い顔をしている。
「アルト様、ちょっとよろしいですか?」
知らない女の人の声に気づいた。何だ?俺に用か?
聖女の護衛はクズだが役に立つ あんこくじだい @ankoku_jidai
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