第2話 聖女の仕事

 俺たち聖女一行は教会内に入った。教会は天井が高くて広くて落ち着かない。さっさと用事を済ませてくれないかな。


「おお、聖女ソフィア様!ようこそいらっしゃいました。ささ、こちらへ……」


 司祭は聖女様を足元からケツまで舐めまわすように見ている。そこを俺が間に入り、視姦を防いだ。司祭は舌打ちをした。やれやれ、こんな奴が聖職者だなんて世も末だぜ。


 ソフィア様は中央の席に座り、信者に順にヒールをかけていく。回復魔法をかける。それが聖女の仕事だ。


「聖女様、私は腰が痛いです……」

「ヒール、これで治りましたか?」

「おおっ、腰が痛くない!聖女様、ありがとうございます!」


 ジジイが聖女に握手を求めたが、俺が阻止。触るな、ばっちい。


「次」


 マイラが冷たい感じでそう言った。マイラはわかってるな。護衛としてはいまいちだが。一時間ほど回復魔法をかけて、本日の仕事は終了した。


「今日は人が少なかったですね。では司祭殿、また明日来ますね」

「聖女様、お疲れ様でした」


 俺たちは来た時に乗ってきた馬車に乗った。帰るところは王宮である。何故王宮に帰るのかって?それは聖女ソフィア様が第一王子の婚約者だからだ。


「アルト、マイラ、いつもご苦労様です」


 馬車の中でソフィア様が言った。マイラは会釈だけした。


「ま、仕事なんで」


 俺はそう言った。

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