3.綺麗



「はい、今日までの月給」


「ありがとうございます...」


一、ニ…一万円札と五千円札が一枚ずつはいった封筒


を受け取り、帰路に着く。


「これで、最後に何か食べるか。」


自分が働いているのとは別のコンビニで菓子とコーヒ


ー、煙草を買う。


河川敷でコーヒーを飲みながら、買った菓子をかじる。


明かりを感じて顔を上げれば、夜空一面に花火が咲い


ていた。


「あぁ、今日は花火大会か…」


終わるには勿体ない日だな…


煙草に火を着け、一吸いする。


目の前に川が流れる。


花火と煙草の煙が混じって見える。


綺麗だ。


……踏み込んだ


思えば人生の半分をピエロとして過ごし、


最後は惨めに死んでいく…


「正に、俺の人生こそ道化師ピエロの、喜悲劇だな」








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