機械的で無機質な世界観がもたらす魅力

まず感じたこととしては、医療的な描写にとにかく説得力があります。淡々と進んでいく会話が予め印象づけられており、一抹の恐ろしさを覚えつつも拝読しました。

たしかに、価値は自分以外の人間が決定づけるものと考えます。他者から認められるために人は努力しています。それが国家規模で容認してもらえず、否定される虚しさ、国家が定めた一般的な規準を一方的に突きつけられ、見合わなければ淘汰される怖さを感じました

私はこの国に産み落とされたら情状酌量の余地もなく即刻排除されると思います(別に悪事はしてませんが)
私はこの男と同じ状況になったら最期に何を思うんだろうか。そして価値のある人を目指して、どう挽回しようと生きていくのだろうか
そう思わせてくれた1作でした。

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価値のある人

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