第16話 嫁?

まさに今!!天国にいるようだ。


スーーハーースーーハーー❣️


「グゥゥゥ」


スーーハーースーーハーー♥️


「グゥラァ」


ブギュ


「おふ」💕


ドサッ


痛ッテーーー!なんだ、あたしは何してたんだっけ?


辺りを見渡すと、あたしは草の上にいて、横にはドでかいクマがいた。


そっか思い出したぞ。


クマのお腹にダイブして犬猫ならぬクマ吸いをしてたんだったな。


どうやら、肉球でドツかれて落ちたことで正気に戻ったみてぇだな。


「おめぇの匂いがいい匂いすぎてよ、嗅ぎ過ぎっちまったよ」


伏せをしているクマに近づき、頬を撫でながら『すまんすまん』と、謝りつつ『もふもふ』を堪能した。


クマは目を細めて受け入れてくれた。


さて、どうすっかな。


「おめぇ、あたしと一緒に来るか?」


クマは『クゥア』と鳴き、頬擦りしてきた。


来たいらしいな、眷属一号にでも、してみっか。


「爪、借りるぞ」


クマの爪を使い指を切り、『舐めろ』と血をクマに舐めさせた。


ペロッ······!!??


クマは目が眩む程に光出した。


間近で見ていたあたしは、目をやられてしまい、草の上をのたうち回ってしまった。


゛ぬオオオーーー目がーーー!!〝


痛みですっかり忘れていた【超速自己再生】を思いだし慌てて発動して治した。


「チクショー自分で治せること、すっかり忘れてたぜぇ」


涙目になった目をこすり、光が収まってきたクマを見たあたしは、その光景にただ見とれることしかできなかった。


「マジかよ!」


そこにいたのは!


背中から首筋にかけ、月明かりを浴びた霜のようにクールなシルバーグレーが広がり、その色は滑らかに腹部へと向かうにつれて、まるで燃え盛る情熱を宿したかのような鮮烈な真紅へと劇的に体毛が変化した、クマが佇んでいた。


「ぐぅう?」


クマが首を傾げ不思議そうにしていた。


慌ててクマに【鑑定】を使った。


 ▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽


名前


:なし


種族名


:銀紅熊(クリムゾンベアー)(♀)


スキル


:猛血毒 咆哮 血纏い


:自己再生 サイズ操作


状態


:シノブの眷属


 △△△△△△△△△△△△△△


種族名が変わったな、血を飲ませたからか?


スキルも増えてたな·········お!ちゃんとあたしの眷属になってんな。


······?サイズ操作??大きさ変えられるのか?


一通り確認することにした。


 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


銀紅熊(クリムゾンベアー)


:忍の血を飲んだブラッディーベアーが進化した魔物、初めて観測された固有個体です。


猛血毒


:自身の血を浴びたものは、猛毒に冒される。


血纏い


:自身の流した血を纏い、武器や鎧にすることができる。


自己再生


:徐々に傷が治る


サイズ操作


:決められたサイズに変えることができる。


忍の眷属


:忍の行動の影響を受け変化していく。


 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


とりあえず、一旦忘れて、落ち着こう。


落ち着くために、ぬいぐるみのようにちょこんとマスコット座りをしている、クマのお腹に顔を埋め、一気に吸い込んだ。


スーーハーーースーーハーーー


クマ吸い、いいな💕すっげぇ落ち着く。


クマはスーハーしてるあたしを、抱き抱え『主好き♥️』の感情を伝えてきた。


頭に響いてきた感情に驚き、顔を上げクマの顔をまじまじと見つめた。


これは眷属になったことの影響か?


頭にクマの感情が流れてきたぞ!?


それにしても、最初は獰猛な顔をしてたが、眷属になった影響か、マスコットみたいな顔に見えるぞ!


めっちゃカワイイ、なんだこれ!?


可愛さに悶絶していると、あることに気づいた。


そうだ!名前決めねぇとな、あたしは自分の直感を信じるぞ!


「おめぇの名前は『アカツキ(暁)』だ!!愛称はアカだな」


「ぐぅ?·····!くぅーーん!」


「嬉しいか、よしよし💕」


よっぽど、嬉しかったのか、中々頬擦りを止めてくれなかったが、それに乗じてあたしもモフモフし続けた。


この状況を楽しんでいると、時間のことが頭をよぎった。


今何時だ?


今さらだが、時計ねぇのは不便だな、報酬入ったら買うか。


木々の隙間から見えた空はオレンジ色になっていた。


あたし1人なら、今から走っても、門が閉まるまで間に合うが、アカの巨体だと·········!


どうするか考えて、あることに気づいた


「アカ、スキルで【サイズ操作】があったな!小さくなってみてくれねぇか?」


アカツキは『くぅ』と一鳴きして、先ほどではないが、光だし輪郭からサイズが変わってくのが見て取れた。


まっまてよ?小さくなれたってことは、つまり。


アカツキはみるみる内に縮んでいった。


見た目がマスコットのような子グマがそこにいた。


ああああああああああ♥️


カワイすぎるぅぅぅぅ♥️


はっ!


バッチーン


あたしの行動にアカツキは『ビクッ』となった。


理性が飛ぶ前に自力で頬をぶっ叩いて正気を保った。


危なかったぜ、もう少しでアカにヤられるとこだった。


頬が明らかに腫れていて、アカツキから『大丈夫?』と心配している感情が流れてきた。


「大丈夫だ!!さっ行くぞ!!」


アカツキを抱き抱え森の中を走った。


結果的に言えば、門が閉まる前に着くことはできなかった。


途中、何度か理性を失いかけ、その度に躓きそうになったり、木にぶつかる等で時間をロスしてしまった。


「一応、門までは行ってみるか」


門までは来てはみたが、案の定、城壁通路の衛兵に呼び止められた。


「止まれ!何者で何用か!?」


「わりぃ!あたしは冒険者だ!間に合うかと思ったんだが、間に合わなかったみてぇだ!できればでいいんだが、世話になっている奴に、伝言を頼めねぇかと思って来たんだが、無理そうか?」


衛兵は側にいた衛兵と相談してるのか、顔を引っ込めた。


すぐに顔を出し『担当の者が向かう、暫し待て』と言われた。


しばらくすると、門の横にある扉から2人衛兵が出てきた。


「して、伝言とはなんだ?先に言っておくが、この扉からは入れてあげられん規則でな」


「わざわざわりぃな。ランドー商会に世話になってるんだが、代表のシビルさんか、店の店長をしているシルさんに今の状況と旅の練習がてら野宿することを伝えてくれねぇか?」


「それくらいなら承知した。幸いランドー商会と言えばこの街でも有名だからな。伝えておこう」


「すまんな」


「なに、気にすることはない。ただちょっと、聞きたいことがあるんだがいいか?」


「なんだ?」


衛兵2人の視線がアカツキに向かった。


「その抱えているのは魔物か?この辺じゃまずクマは見たことない。いるとしても、北の森にいるBランクの魔物でブラッディーベアーだけだ。でも明らかに奴とは、聞いた話しと毛色が全く違う上に、子グマでもない······魔物だと思うのだがテイムでもしたのか?」


テイムってなんだ?


「テイムが何かしらんがコイツはあたしの相棒で嫁のアカだ!」


衛兵2人は困惑し、抱えているアカツキは『くぅん』と首を傾げていた。


その仕草にヤられかけたが、気合いで理性を保った。


フゥー、隙あらばアカが攻撃してくるな、だが負けん。


衛兵は『ゴホン』と咳払いをして、質問してきた。


「すまない。嫁とはどういう意味なんだ?その子の従順なところをみれば相棒······まぁテイムはしてるんだとわかるが、嫁が全くわからない」


説明がめんどくせぇ押しきるか。


「まぁわからねぇなら、それで良いじゃねぇか。こんな奴もいると思ってくれ」


衛兵は苦笑いをすることしかできなかった。


「全くわからないがわかった」


「そんじゃ、伝言頼んだぞ」


あたしは言うだけ言って森へ向かった。


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