Project Cute
dede
第03回 姿勢は大事
「では第三回、プロジェクトキュートの定例会を始めまーす」
「う、うん」
「本日の議題は、はい、コチラ。『姿勢が悪いと可愛くない』」
「まだ可愛くない、なんだね?」
私の疑問に訳知り顔でコーちゃんはうんうんと頷く。
「萌の気持ちは分かる。ケドまず可愛くないから潰すんだ。可愛いはその先だ」
「でも。前回の『不潔は可愛くない』は殆どクリアしてたよ?」
「そうだな。髪がボサボサ以外は普段から出来てた。
爪が伸びてたり、一日三回歯磨きしてない俺の方ができてなかったし。
でも、今回は明らかに出来てない。萌は猫背だ姿勢が悪い」
「そ、そうかな……?」
言われたものの、自分ではピンと来なかった。のけ反ってみる。背中が伸びて気持ち良い。コーちゃんは続ける。
「自分じゃ分かりにくいだろうけどさ。なので実際に萌を撮影して確認するよ。生憎普段使ってる父さんのスマホはないから今回はゲストをお呼びしています。ハイッ、ねーちゃんカモン!」
ドアがガチャリと開き、コーちゃんのお姉さんが部屋に入ってきた。
「やあやあ、どうもどうも。萌ちゃん久しぶり。元気してた?」
「あ、どーも……ご無沙汰してます」
コーちゃんのお姉さんと話すのは久しぶりだ。昔はよく遊んで貰ったけど、お姉さんが高校生になってからは会う機会がガクッと下がった。今は確か、専門学校だったはず。
お姉さんは早速私にスマホのレンズを向ける。
「もう萌ちゃん撮影していいの?」
「うん、撮っちゃって」
ティロンと撮影の音が聞こえた。
早速映った私を、私とコーちゃんとお姉さんが覗き込む。
そこに映っていたモノ。紺のズボンに灰色のトレーナーを着た。突然でポーズが取れてない。ひきつった頬の。無造作に腰まで伸び放題の髪で目元も不明瞭な。そんなチビが映ってた。ちなみにそのチビは猫背だった。
「萌、これ、可愛いか?」
「ちょ、コー!」
お姉さんはコーちゃんを諫めたけど、わかるよコーちゃん。
「……可愛くないよね」
「じゃ、直していこうか」
……なんでこんな事してるんだっけ?
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