12月4日の『人声天語』

夢美瑠瑠

第1話


 オレは、ド田舎の生まれで、保育園や幼稚園に行ってないし、姉はいたが、そういうハンディキャップはついて回っています。

 貧乏だったし、塾やら習い事とか、そんなハイカラなことは漫画の中にしかない夢?でありました。

  

 で、活字の中のことが普通の人よりも切実なリアリティを持っていた?そういうそもそもの特殊な条件はあったとも思います。

 マスコミ関係のあらゆる事物に幻想を抱くというのか、美化したり理想化したり?例えば川端康成は「孤児として生まれて、自分が余計ものである」と、そういうコンプレックスが出発点で、そこから、そうした苦悩と葛藤の克服のための空しい足搔き? そこから敷衍していった文学的な営為、 それらが人間の”生まれいずる悩み”として昇華されて、普遍性を持っていてリアリティも持っていて、で文学的な値打ちを持つ小説と評価されるに至った…


 なぜ「空しい足掻き」なのかというと、そういう劣等感、inferiority complex というもの自体が、そもそもただのビョーキであって、いわば実体のない幽霊におびえたり、「杞憂」したりする愚劣な現象で…


 ゴーストバスターズというシネマあったが、どこかああいう滑稽感を伴う…「人生五十年、下天のうちにくらぶれば、夢幻のごときなり」栄耀栄華を極めていても、それでなおのこと? そういう感慨は浮かぶ…


 人生自体が空虚で空しいのが本質…だとしたらどんなに高尚で本質的で怜悧であっても文学などという虚業の虚妄? が無意味でないわけでない…ジャコウネズミさんの哲学者みたいになったが? 普通の感覚で、自分の不幸は他人には喜劇?そういう近視眼、針小棒大、錯覚…nntonaku


 



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