ネガピ

利雨

第1話 はじめました陽ピ

 どこをどうみても、明るいひとと、暗いひとは存在する。

 区別ですらない。

 根っこなのだ。


 わたしはだから、暗いひとなのだろう。


 また一人、明るいひとが通り過ぎる。

 ど金髪でどピアスのそのひとは、また誰かと絡む。

 わたしには、関係ないひとだ。

 ウェイなどというよくわからない俗語があって、それを使うのがパリピなのだろう。


 けれど、暗いひとだから、できる望みがある。

 それは、変身願望。

 だから、始めてみた。



 目指せ陽ピ。

 弾けろ魂。



 入学式をおとなしく終えて、様子見ムード。

 そして、第一段階を始動。

 一学期からの春の陽気をうけて、まるで中学生時代は、みんなに気をつかっていましたというくらいに明るくふるまう。


 あいさつは、っはよっ。

 スカートも段階で折っていく。

 ノートなんてとらない。

 先生の話しは聞かない。

 よし、カンペキ。

 陽仲間は三人。



 進学校になんで進学したのわたし。

 はよ、と元気、と今日何する? でノリきる。

 言ってもここは進学校。

 私立高校で、しかも部活も一年所属すれば、あとはフリー。


 適当に一年過ごして、あとは気合いで乗り切るしかない。


 ちょっと気になるのは、隣のクラス男子。


 言ってもここは進学校。

 パリピ男子なんて数名しかいなく、あとは真面目キャラな男子ばかり。

 その気になる子ももちろん真面目キャラ。



 わたし変身間違った。

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ネガピ 利雨 @onething_heart

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