筆者である「私」が、親戚が飼いはじめた蜘蛛の「かすみちゃん」について語ります。その距離感が近すぎず遠すぎず絶妙で、かすみちゃんへの興味がそそられます。客観的に見れば、かすみちゃんは特別でもなんでもない一匹の「普通の蜘蛛」なのですが、作中で「かすみちゃん」と呼ばれることで、なんだか不思議で可愛らしい存在のように思えてきます。親近感が湧いたから名前をつけたとも言えますし、逆に名前をつけたからこそ愛おしく見えてくる。そういうこともあるのかもしれませんね。穏やかな優しさがただようエッセイでした。
ただの蜘蛛やないかーーい!!……って作者様本人も最初からそうおっしゃっていましたね!(ノ≧ڡ≦) てへけれど、その“ただの蜘蛛”が路地猫さんの手にかかると、ちゃんとひとつの物語(エッセイ)になるからすごい。親戚のお宅のトイレに住みついた、控えめでシャイな蜘蛛・かすみちゃん。淡々とした観察と、ほんのりユーモラスな語り口。そして何より、ささやかな命にも物語を見いだす作者様のまなざしが、日常の片隅に潜む小さな“主人公たち”に気づかせてくれる——。そんな優しい作品でした♪
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