第2話

気づいたら、朝だった。


布団を、じぶんで掛けた覚えがないから、彼が掛けてくれたのだと思う。


ちょっと夢かと思ったけれど、食卓に、シロップで仕上げられたホットケーキが載っていたので、真夜中に見た彼の姿は夢じゃないと思った。


「ずっと起きてた?」


「んー、そうでもないよ」


彼は、また曖昧な顔をする。


「おいしくできたと思うんだ。さぁ食べよう」


ふわっふわのホットケーキ。


コーヒーを入れようと思ってカップを探したら、ふたつ、粉を入れたままのカップが、シンクに置いてた。



「ええと?」


「ああ。きのう、夜に忘れたままだねぇ」


んー・・・・・・。


憶えてないー・・・・・・。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る