第6話

公園のベンチに座って、海を見てる。


ぼー、っと。


キラキラと、水面が揺れている。


ふたり黙ったまま。


定期便の船が視界を通り過ぎてく。


ああ。


息を吸って。レジ袋から抹茶パフェを取り出して、開ける。


ビニルを破ってプラスチックのスプーンで、抹茶アイスを掬って、


「ねぇ、あーん」


やっと、すこし視線を交わした。


「あいがとー、あーん」

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