第2話 起:白焔一揆決起!
閉じた網膜に光が透過され、肌身に風が感じられる。感覚が戻ってきた。強烈な「土の匂い」が一際感じられた。
都市開発の進んだ現代的なアスファルトと排気ガスの臭いではない。先人達が汗水垂らした肥料と、濡れた藁(わら)と、湿った土壌のむせ返るような臭気。
「……あ、た、た……」
坂谷村雨は、煎餅布団の上で身体を起こした。
全身が軋む。腰が重い。まるで昨晩、決算期の在庫整理を一人でやらされた翌日のような疲労感だ。だが、肉体は若々しい感じで前日までのデスマーチのストレスさえ感じられない若い肉体の感覚。
(死んだんじゃなかったのか? それとも、救急搬送されて助かったのか?それにしては肉体が若々しい感じだ。)
ぼやける視界をこすり、周囲を見渡す。
点滴も、白い天井もない。あるのは煤(すす)けた木の梁と、ひび割れた土壁。そして枕元には、使い古された農具。
「……どこだ、ここは。令和では……ないな」
自分の手を見る。
キーボードとコントローラーで指先だけが硬化した手ではない。土汚れが爪の先まで染み込み、分厚い豆だらけの、節くれだった「農夫の手」だ。
慌てて近くの水桶を覗き込む。
水面に映ったのは、若々しい農夫の姿。この肉体の記憶が駆け巡る。獄道の主人公、ムラマサとヒロインのヤヨイが幼なじみである記憶が。
「農民……? 俺が?」
その時、視界の端に奇妙なエフェクトが走った。
自身の胸の奥から、ゆらりと立ち昇る「白い炎」。
それは熱さを伴わず、むしろ疲れた体に活力を与えるような、不思議な光だった。ムラマサの炎が地獄ならば俺の炎は天国か。村雨は息を呑む。この感覚、この光景。そして、外から聞こえてくる蝉の声と、遠くで響く不穏な太鼓の音。
「嘘だろ……」
記憶にある。何百回と周回したから間違えようがない。
ここは『獄道』のスタート地点、「辺境の村・クズハ」。
そして今日は、物語の始まりである「徴税と略奪の日」だ。確定された悲劇(イベント)___。
ドカッ! と粗末な戸が蹴破られる音。
外から悲鳴と怒号が聞こえてくる。
「出せ! 隠しているのは分かっているんだぞ!」
「お慈悲を! 今年の不作で、もう米など……!」
村雨は鍬(くわ)を杖代わりに、重い足を引きずって外へ出た。
村の広場では、禍々しい具足に身を包んだ兵士たちが、村人を殴り飛ばしていた。幕府の徴税吏だ。
彼らはただの徴税ではない。「妖への生贄」として若い娘を拉致しに来ているのだ。
そして、その中心。
兵士たちの前に、一人の少年が立ちはだかっていた。
ボロボロの着流しに、痩せこけた体躯。色素の薄い髪と、どこか人間離れした美しい瞳。
(……ムラマサ!)
村雨の心臓が早鐘を打つ。
最推しのキャラ。俺の分身。
だが、今の彼は「英雄」ではない。まだレベル1ですらない、ただの半妖の子供だ。手には錆びついた刀一本。震える足で、それでも背後の少女――幼なじみのヒロイン「ヤヨイ」を庇っている。
「どけ、穢れた半妖風情が!」
「……とお、さない。ヤヨイは、渡さない……!」
兵士の一人、隊長格の大男が太刀を抜く。
村雨の脳内で、wikiの記述が高速で再生される。
――チュートリアル・イベント。
プレイヤーは操作不可。ムラマサは兵士に挑むが、圧倒的な力量差で敗北する。
「あのイベントだ。右腕を斬られて、黒炎を得るやつ。でも……見たくねぇ」
(……痛ぇんだよな、あれ)
村雨は無意識に、農具の柄を強く握りしめていた。
何十回と見たムービー。幼いムラマサが、血の海でのたうち回り、泣き叫びながらヒロインが連れ去られる光景。
あれを見ろというのか。この特等席で?
俺が愛したキャラが、理不尽に踏みにじられるのを?
「……ふざけるな」
ブラック企業の理不尽な命令なら耐えた。生活のためだからだ。
だが、これは違う。
ここは俺の愛した世界だ。そして俺はもう、会社の犬じゃない。
隊長が太刀を振り上げる。
ムラマサが悲鳴を上げて目を瞑る。
その太刀筋。予備動作(フレーム)。
振りかぶってから斬撃判定が出るまで、約0.8秒。
「(……遅い)」
若々しい農民が、地を蹴った。
キィィンッ!!
乾いた金属音が広場に響き渡った。
血飛沫は、飛ばなかった。
ムラマサの細い右腕は、まだそこにあった。
「……え?」
ムラマサが呆然と目を開ける。
彼の目の前には、泥だらけの背中があった。
振り下ろされた鋼鉄の太刀を、錆びついた「鍬(くわ)」の柄で受け止めている、しょぼくれた親父の背中が。
「な、なんだ貴様は!?」
兵士長が驚愕の声を上げる。
無理もない。ただの農民が、戦慣れした武士の渾身の一撃を止めたのだ。
だが、村雨には見えていた。
鍬を包み込むように燃え上がる、白い炎。
これが俺の異能。黒炎のような破壊力はないが、大切な存在を守護する守る力。解説しよう…白焔(びゃくえん)とは…白焔は俺だけのバグだ。鍬だろうが鎌だろうが、伝説級になる。部下のメンタルも浄化できる。要は、守る力だ。
「……若者に手を上げるもんじゃないよ、お役人さん」
村雨は、二日酔い特有の頭痛をこらえながら、低く呻いた。
鍬を押し返す。
常人とは思えない膂力(りょりょく)。いや、これは身体能力じゃない。「弾き(パリィ)」の理屈だ。相手の力のベクトルを逸らし、体幹を崩す。
「き、貴様ぁっ! 幕府に逆らう気か!」
逆らう?
ああ、そうだ。これで確定した。
徴税吏への公務執行妨害。傷害。反逆罪。
この瞬間、この村は「平和なチュートリアル村」から、「反乱軍の拠点」へとシナリオが書き換わった。
「上等だ……」
村雨はニヤリと笑った。
その笑顔は、人の好い若い農夫のものではない。数多の修羅場(デスマーチ)をくぐり抜けてきた、ベテラン社員の不敵な笑みだ。
「ガキ一人守れねぇで、何が大人の役目だ。……なぁ、ムラマサ」
背後の少年を振り返る。
まだ状況が飲み込めず、震えている推し(ムラマサ)。
村雨は、鍬に白焔を纏わせ、切っ先を兵士たちに向けた。
「安心しろ。このクエストの攻略法(タスク処理)なら、俺が知っている」
兵士たちが色めき立つ。
数は五人。装備は粗末。
だが、村雨の脳内には、彼らの攻撃モーション、索敵範囲、そして弱点属性までのすべてが、エクセルの表のように展開されていた。
「さて……残業(戦闘)開始といこうか」
白焔の農民。チュートリアルを粉砕し、社畜の「一揆」が今、幕を開ける。
戦闘は一方的だった。
逃げ帰る兵士たちの背中が見えなくなると、広場には重苦しい沈黙が落ちた。
歓声はない。あるのは絶望的な恐怖だけだ。
「な、なんてことをしてくれたんだ……!」
震える声で叫んだのは、村長だった。
彼はその場に崩れ落ち、泥を掴んで嘆いた。
「お役人に手を上げるなど……これで、この村は終わりだ! 皆殺しにされるぞ!」
「そうだ! どう責任取るんだ!」
「あんたのせいで!」
村人たちの視線が、感謝から憎悪へと変わる。
当然だ。この時代の農民にとって、幕府は絶対的な「本社」であり、逆らうことは死(倒産)を意味する。
パニックが伝染し、今にも村雨を取り押さえようとする空気が醸成されていく。
(……やれやれ。プロジェクト失敗時の責任のなすりつけ合いか。懐かしい光景だ)
村雨は鍬についた血糊を払い、ドンッ! と地面に突き立てた。
そして、腹の底から声を張り上げる。
「静まれぇい!!」
ビリビリと空気が震えた。
白焔の余波か、あるいは長年、言うことを聞かない部下や理不尽な顧客を黙らせてきた「管理職の恫喝」か。
村人たちがビクリと動きを止める。
「状況を整理してやる。よく聞け」
村雨は村人一人一人の目を見据え、淡々と、しかし力強く語り始めた。
「役人は逃げた。報告が届けば、次は正規軍が来る。これは確定事項だ。謝って済む段階(フェーズ)は過ぎた」
「だ、だからあんたが……!」
「だがな! 役人が来なくても、お前らは死ぬ運命だったんだぞ?」
村雨の言葉に、村長が言葉を詰まらせる。
村雨は続ける。まるで、経営不振の打開策を提示するコンサルのように。
「今年の年貢率は? 七公三民、いや八公二民か? 食い扶持も残らねぇ。その上、働き手の娘たちは連れて行かれる。座して待つのは『餓死』か、妖に食われる『犬死に』だ。……違うか?」
反論はない。誰もが薄々気づいていた「破綻した経営実態」を突きつけられ、村人たちが俯く。
「選択肢は二つだ。幕府というブラック企業に搾取され続けて野垂れ死ぬか……それとも、イチかバチか戦って、腹一杯飯が食える未来を掴み取るか」
村雨の胸から、白い炎が溢れ出し、周囲を暖かく照らす。
その光は、絶望に染まった村人たちの顔に、微かな熱を灯していく。
「俺には勝算(プラン)がある。武器もある。知識もある。……俺についてもくれば、少なくとも『ただでは死なせない』ことだけは約束しよう」
それは詐欺師の口上にも似ていた。
だが、その背中には不思議な説得力があった。かつて何度も修羅場を乗り越えてきた男だけが持つ、独特の重み。
一人、また一人と、村人たちが顔を上げる。
「……村雨、さん」
おずおずと声をかけてきたのは、ムラマサに庇われていた少女――ヤヨイだった。
その顔色は蝋のように蒼白で、瞳の焦点が定まっていない。
彼女はふらりと村雨に近づくと、縋りつくようにその袖を掴んだ。
「見えたの……。今、夢を見たの」
「夢?」
「この村が、紅蓮の炎に包まれて……みんな、死んで……」
ヤヨイの体がガタガタと震え出す。
彼女の異能「予知夢」。それは『獄道』のストーリーにおける重要な伏線であり、確定した未来を告げる残酷な宣告だ。
「ムラマサちゃんが……黒い化け物になって……泣き叫びながら、全てを壊して……私も、あなたも、誰もいなくなる……暗闇だけが残るの……ッ!」
悲痛な叫びが広場に響く。
それは、ゲーム『獄道』の正規ルートそのものだった。
どんなに足掻いても訪れる、救いのない結末。彼女はそれを見てしまったのだ。
「ああ、なんてことだ……やっぱり呪われているんだ!」
村人たちが再び動揺する。
ムラマサ自身も、自分の手を見つめ、絶望に顔を歪めた。
「僕のせいだ……僕の中に、化け物がいるから……」
空気が重く淀む。
誰もが「やっぱり駄目だ」と思いかけた、その時。
「――はっ」
乾いた笑い声が、その場に不釣り合いに響いた。
村雨だった。
彼は面白くもなさそうに鼻を鳴らし、ヤヨイの頭にポンと大きな手を置いた。
「なんだ、そんなことか」
「え……? で、でも、私の夢は必ず……」
「当たるんだろうな。ああ、知っているさ」
村雨は屈み込み、ヤヨイとムラマサ、二人の視線の高さに合わせる。
その瞳には、恐怖も不安も微塵もなかった。
あるのは、バグだらけの仕様書を前にしたエンジニアのような、不敵な挑戦心だけ。
「いいか、若いの。おじさんのいた世界ではな、『必ず失敗する予測データ』なんてものは、日常茶飯事だったんだよ」
倒産確実の財務諸表。納期絶対不可避のスケジュール。
それらを前にして、諦めるのは二流だ。
一流の社畜は、そこから「生存ルート(抜け道)」をこじ開ける。
「未来が見えた? 上等だ。それは『確定した運命』じゃない。ただの『リスク想定(シミュレーション)』だ。回避すべきバグが事前に分かって、ラッキーだったな」
村雨は立ち上がり、白焔を松明のように高く掲げた。
白い光が、夕闇の迫る村を鮮烈に切り裂く。
「そのふざけたシナリオ(未来)、俺がへし折る」
宣言。
それは神への冒涜か、あるいは運命への宣戦布告か。
「ムラマサ、ヤヨイ。お前たちは俺が守る。化け物になんかならせんし、誰も死なせはしない。……俺の『攻略』を信じろ」
その言葉に、ムラマサの瞳から涙が溢れた。
初めて、誰かが自分を「化け物」ではなく、守るべき人間として見てくれた。
ヤヨイの震えが止まる。その蒼白な頬に、白焔の赤みが差す。
村雨は村人たちに向き直り、ニヤリと笑った。
「さあ、業務開始だ! ブラックな幕府に辞表(一揆)を叩きつけるぞ! 我ら、これより『白焔一揆』と名乗る!」
オオオオオオッ!!
呼応する怒号。それはもはや悲鳴ではない。
五十五歳の元社畜が灯した白い炎は、この日、確かに歴史の歯車を狂わせ始めたのだった。
とある悪食大名視点___
領都を見下ろす巨大な城郭、天守閣の最上階。本来ならば美しい月見の座敷となるはずのその場所は、腐った肉の臭いと、鉄錆の臭いで満たされていた。
「――ほう?」
クチャリ、と湿った咀嚼音が響く。
上座に座る巨漢――悪食大名・剛山(ごうざん)は、皿に盛られた「何か」の生肉を口元から滴る血と共に飲み込んだ。
その双眸は、人間のものではない。瞳孔が縦に裂け、白目は黄色く濁っている。
「農民が、兵士の太刀を止めた、と申すか。鍬(くわ)で?」
「は、ははっ! 報告によれば、その鍬からは『白い炎』が立ち昇っていたと……」
報告に来た下級武士は、畳に額を擦り付けたまま震えていた。
剛山の機嫌を損ねれば、次の「皿」に乗るのは自分だと知っているからだ。
「白い、炎……」
剛山は太い指で、自身の突き出た腹をさすった。
そこには無数の妖(アヤカシ)を喰らい、その力を取り込んだ呪いの刻印が浮かび上がっている。
彼は知っていた。妖の力は「黒」か「紫」だ。白などという純粋な力は、この腐りきった日ノ本には存在しない。
「美味そうだな」
剛山が舌なめずりをする。
それは脅威への警戒ではない。未知の食材への食欲だった。
「クズハ村と言ったか。……捨て置けぬな。ただの一揆ならば焼き払うだけだが、『異能』となれば話は別だ」
剛山は懐から一枚の木札を取り出し、放り投げた。
それは、幕府直轄の「異端審問部隊」――またの名を「掃除屋」への動員命令書。
「ヨハン司祭に伝えよ。『珍味』が見つかった、とな」
クカカ、と喉の奥で笑う剛山。
その背後で、障子に映る彼の影が、巨大な獣の形に膨れ上がっていた。
システム(幕府)が、バグ(村雨)を排除するために動き出したのだ。
同じ頃、クズハ村。
村雨の演説により、村人たちは熱狂の中にあった。武器の手入れをする者、バリケードを作る者。そこには「死を待つ者」の顔はなかった。
だが、その喧騒から離れた村外れの井戸端に、一人佇む影があった。ムラマサだった。
彼は自身の右腕を見つめていた。
本来ならば切り落とされていたはずの腕。村雨によって守られた腕。
だが、その皮膚の下で、赤黒い血管がドクドクと脈打っているのが見えた。
「……消えない」
ムラマサは呟く。 村雨の「白焔」は暖かかった。優しかった。
けれど、自分の体の中を流れる血は、冷たく、汚れたままだ。
父は人間だが、母は九尾の妖狐。その呪われた血が、戦いの予感に呼応して騒いでいる。
『ケケケ……辛そうじゃのぅ、半端者』
不意に、虚空から嘲笑うような声が響いた。
ムラマサが顔を上げると、井戸の縁に、いつの間にか一匹の狐が座っていた。
顔には白い面をつけている。狐面の道化・イズナ。
「イズナ……失せろ。お前の声など聞きたくない」
『つれないのぅ。同族のよしみに、忠告しに来てやったのに』
イズナはふわりと宙に浮き、ムラマサの耳元で甘く囁いた。
『あの白い男――ムラサメと言ったか。奴は眩しいのぅ。強くて、賢くて、皆を照らす太陽のようだ』
「……ああ。あの方は凄い人だ。僕なんかとは違う」
『そう、違う。決定的に違う』
イズナの声が、冷ややかな毒を含んで響く。
『奴は「光」だ。だがお前は? お前の中にあるのは、ドス黒い殺意と、人肉を欲する獣の血だ。……今はいい。だがな、戦いが激しくなれば、お前は必ず暴走する』ムラマサの体が強張る。それは、彼自身が最も恐れていることだった。
ヤヨイの予知夢にあった「黒い化け物」。それは未来の自分だ。
『あの男が作り上げた希望を、お前が食い散らかす未来が見えるぞ? 守られた腕で、今度は恩人の首を絞めるのか?』
「やめろ……ッ!」
『力が要るだろう? あの白い男の隣に立ちたければ、お前もまた「王」にならねばならん。……古寺に行け。そこにお前の本当の力が眠っている』
封印された禁忌、獄焔刀。
イズナはクスクスと笑いながら、夜霧に溶けるように消えた。
『待っているぞ、次期魔王様……』
残されたムラマサは、胸を掻きむしるようにしてうずくまった。
村雨は「守る」と言ってくれた。
だが、ムラマサは知っている。自分の中の怪物は、他人の励まし程度で消えるものではないことを。
(僕は……いつか、村雨さんを殺してしまうんじゃないか?)
村の方から、村雨の豪快な笑い声が聞こえてくる。
その明るさが、今のムラマサにはひどく痛かった。
白焔の一揆。その中心にいる村雨と、その影で震える黒い火種のムラマサ。
二人の運命は、まだ噛み合っていない。
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