日々、ふとした時の中
いず
第1話 2025年12月2日の夜中のこと
ただでさえ雑然としているこのおもちゃ箱みたいな私の部屋
ほんの小さな粒を飲んだだけでさ
私の部屋がというより私の知覚が錯綜する
無機物の直線が曲線を生み出すの
二次元の文字列が次元を一つ増やして自由に動き
出すの
次元がゆらゆらしていて
その狭間を感じて
無機物は有機的になって
性格を種に、思い思いに踊り花を咲かせる
ああ
私はお花が怖いの
花恐怖症という、マイノリティ
花が持つパワーが、生命力が、その美しき生命のエネルギーで私を溶かしてしまいそう
花、が、……私、を、……その輝きのエネルギーを以て、灼き尽くしてしまいそう
お花はなんて可愛くて心を華やかにしてくれるの
かしら
お花はなんて美しくて魅力的なんでしょう
ただ遠くから眺めたり、可愛らしい絵になっているのなら、そのまま純粋に私も心癒されるというのに
近付く程にその魅力は狂気を帯び、その美しき狂気の刃物で私の心を震え上がらせる
私に花を贈ってはいけない
私に花を近付けてはいけない
催眠だの慣れだの、恐怖症の克服方法は普通に存在していると思う
生活に支障をきたす程、私は花やそれ以外にも幾つかの恐怖症と潔癖症を持ち合わせている
しかし、それらを克服する気はない
人に迷惑を掛けてしまうこともあり、それは大変申し訳ない。
私自身は、とにかく生きづらい
日焼けをしたくないことと併せると、ただ外を歩くだけという場面で発生する問題が多すぎる
なかなか不自由な思いをしている
結構大変だ
恥ずかしい思いもよくする
それでも克服しないのは、私の大切な個性だと認めてしまっているから
世の多くの女性が美しいと感じ、贈られると喜ぶ花に対して私が抱く恐怖心を始めとした感情
そして花以外の、単語を書くのすら不快な気持ちになる対象のもの ―何れも愛好家が存在していることが多い― に対する私の負の感情
マジョリティの感じている、愛若しくは特に興味関心がないといったものとはひと味もふた味も何味も違った、強烈な感情を私はそれらに抱いている
この感覚や感情は、私だけのものだ
私だけが感じられることを表現できるのは私しか
いないんだ
だから、私の個性であり、宝物なんだ
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