p4: 撓む

響きからしてえろい。おっぱいを褒め称えるための単語だろこれ。

……などと供述しつつ。

おっぱいについて、思うところがある。


筆者はオスなのだがおっぱいがある。

中学の頃から断続的に筋トレをしていて、とりわけ胸筋は鍛わる体質だった。しかし、鍛錬をしばらく怠っていると、筋肉は大きめな脂肪になっちまう。おっぱいの出来上がりである。すると、たとえばチャリで走っている時、段差を越えるとぶるん。揺れるのだ。その度に、何となくいやーな感触だと思う。身体の余った部分を意識させられる。よし、また鍛え直そう。すると今度は……例えば、仰向けの姿勢で右手を身体の左へ伸ばして物を取ろうとしたとき、右胸の塊がひどく邪魔で窮屈なのだ。

ある日、筆者は翻ってこう思った。よもや私は、女性が自身のおっぱいに抱く感触を体験しているのではあるまいか。


想像を働かせてみる。第二次性徴期。なんか知らんが、胸がふとってくる。揺れる。動きづらい。じゃま。なにこれ、やだ。おまけに、普段はサルみたいにはしゃいでる男子共が、体育の時間になると神妙に、アツい視線をこいつに向けてくる。キモッ! 

時は過ぎ、彼氏ができて、やがて肌を合わせる。こいつを揉みしだき、顔をうずめ、鼻の穴おっきくして喜んでやがる。わからん……何がそんなにいいんだろうか。

喧嘩別れ。ストレスを感じて食べすぎ、太っちまった。あーあ、まったく理不尽だよ。こいつがおっきいほどオスは喜ぶらしいが、同じ脂肪でも、腹の方はすっきりしていて欲しいんだとよ。痩せながら太れっての?


……この辺にしておく。

以上の想像が、果たして的を射ているのかは分からない。なにぶんデリケートな話題だから、直接女性に聞くのもおっかない。こんなものはばっちり、セクハラである。ふたつ、妙な確信があるのは、的外れだろうが的当たりだろうが聞けば私はキモがられるだろうことと、自分が気に入っていない部分を褒めそやされても納得はできないだろうということだ。

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管巻きよう子 @lvmika

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