2-3 おやすみ
キンコーン、カンコーン。
今日も午前中の授業を終え、昼休みの時間になった。
最近は、誘わなくても胡桃沢は弁当を持参し、俺、胡桃沢、小豆、大和の四人で食べるのが日課になっていた。
「うんーん! 毎日朝も夜も練習してたら体持たないよ……」
小豆は、小さな体を精一杯背伸びしながら言う。
「頑張って、応援してるから」
「ありがと。じゃあ、頑張ろう!」
あれから、二人は少し仲良くなったみたいだった。
「じゃあ、俺たちも頑張るか」
「俺は、何頑張るんだよ」
大和はアルバイトで忙しそうだが、俺は特に部活などしていない。
強いて言うなら、ミレンナー退治だがここで言うことではないだろう。
「筋トレだよ」
「筋トレか……ちょっとだけやろうかな」
「いいよ、ひなっちはそのままで。ムッキムキが二人もいたら大変だもん」
「私も、そのままでいいと思うけど……」
筋トレ……少し興味あったが、女子からは不評らしい。
だが、こっそり家で腕立てぐらいはやってもいいだろう。
「別に、ムッキムキが二人いてもいいだろ?」
大和は抗議するように言う。
「やだよ。マッチョ、マッチョだよ」
「いいじゃねえか。マッチョ、マッチョ」
「じゃあ、私たち四人マッチョになったら、マチョ、マチョ、マチョ、マチョになるんだよ」
「いいじゃねえか。マチョ、マチョ、マチョ、マチョ」
「じゃあ、一年生全員マッチョになったら?」
「それは、マチョ、マチョ、マチョ、マチョ…「それでさあ、唯ちゃんって、弁当自分で作ってる?」
「自分で作ってるけど……」
大和は、壊れたスピーカーのようにマチョ、マチョを繰り返している。
小豆は、それを無視するように話を続ける。ちょっと可哀そうだろ……。
「美味しそうだから凄いなーって。料理上手なんだ」
「そんな、上手ってほどでもないけど……」
「俺も、自分で作ってるけどな!!」
「はいはい。すごいすごい。」
小豆は呆れながらも子どもを褒めるように、大和に言う。
「まあでも、本当に凄いよ。俺、母親に作ってもらってるから」
「私も、お母さんに作ってもらってるから……。やっぱり、料理できるようになった方がいいのかなあ」
「そんな、気にしなくていいと思うけど……」
「俺、料理できるけどな!!」
「はいはい。すごいすごい。」
小豆は呆れながらも子どもを褒めるように、大和に言う。
さっきも、同じ会話をした気がするが、大和は大型犬のように喜んでいた。
それでいいのか?
そうして今日も昼食を食べ終え、昼休みが終わった。
***
授業も終わり、家に帰ってリビングで妹とゲームをしていた。
「
「来てるけど、なんで?」
「いや、なんとなく……」
昨晩、夜遅くに一人で公園にいた彼女のことが気がかりだった。
「普通だったよ?」
「なら、いいけど……」
「なんか……本当に追いかけたりしないでよ?」
「する訳ないだろ。俺をそこらへんの不審者と一緒にするな」
「じゃあ、エリート不審者だ」
妹から不名誉な称号を手に入れた。
うしろでは、カチャカチャと母親が料理を作る音が聞こえる。
「ゲームもいいけど、ちゃんと宿題してますかー?」
「ちゃんとやってますぅ!!」
「お父さん帰ってきた時、怒られても知らないからね」
「成績いいもん」
妹は自慢げに言う。
「はーい。じゃあ、今日はゲーム終了」
「え~」
母親の堪忍袋が切れる前に、切り上げるのが吉だろう。
そうして夕食を食べ終え、夜中になった。
いつものように、家を抜け出し、胡桃沢と合流した後、訓練を行った。
胡桃沢曰く、ミレンナーは基本そんな強い個体はいないらしく、俺でも十分対処できるとのことだった。あの黒い魔法少女については、あれ以降、特に手がかりはないらしい。
訓練を行った帰り道、あの公園の近くを歩く。
今日は誰もおらず、静けさだけが漂っていた。
少し話をしたかったが、いないのならどうしようもない。
家に帰り、ベッドの上に転がる。
そして、そのまま目を閉じた。
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