幼少期・小学時代

父、母、私、弟の四人家族だ。

物心がつく頃には保育園に通っていた事は覚えている。お遊戯会では、白い星の妖精を演じた。外で遊ぶ事も好きな、比較的活発な女の子だったと思う。幼少期、私は「モーニング娘。」という一世を風靡していた、女性アイドルに夢中になった。将来の夢は「モーニング娘。の一員になる」ことだった。初めて連れて行って貰ったコンサートも、モーニング娘。だった。だがしかし、幼い頃から内気な私は、オーディションに挑戦する事もなく、「モーニング娘。の一員になる」という夢は叶えることができなかった。「たまごっち」や「DSゲーム」が流行った世代である。商業施設に入っている玩具屋さんに、発売日に父か母と一緒に並んだ。子供の頃の記憶ではあるが、とても嬉しく幸せな想い出になっている。

小学生時代は、なんて言うのか、今思えば閉塞感を感じていたと思う。

当時流行っていた、アーケードゲーム「オシャレ魔女❤︎ラブandベリー」に夢中になった。弟の柊哉は、「ムシキング」だ。両親はあまりゲームセンターには、連れて行ってくれなかった。祖父母宅にお邪魔した時に、祖父に連れて行って貰ったことが多かった。お小遣いも貰えて、ゲームも楽しめる一石二鳥だ。祖父には、ゲームセンターだけでなく、映画館にもよく連れて行って貰った記憶がある。当時は、ガラケーの時代だったので、新聞の地域情報の中から、その時観たいと思った上映している映画を選んでいた。

クリスマスにはサンタさんに、「Wii」のゲーム機とゲームソフトをお願いした。日頃の行いが悪かったのか、当日、私と弟が寝ているベッドの間に置かれていたプレゼントは、ゲーム機本体と弟と一緒に楽しめるゲームソフト一本だった。私と弟それぞれ、違うゲームソフトが欲しかったが、願いはサンタさんには届かなかった。

篤史と佳織は、私が小学校に上がる前に、市内の郊外に家を建ててくれた。有名ハウスメーカーの立派な家である。庭付き、駐車場付きの一軒家で、縄跳びやフラフープといった外遊びや、家族や近所の人たちとバーベキューを楽しんだ。だがしかし、幼心に、他所者感を周りが感じていたのを、私は感じた。田舎あるあるだ。両親が建ててくれた自宅は、新興住宅地だったが、山がすぐ傍にあった。冬眠から目覚めた熊が、食べ物を探しに山から降りてきたこともある。地域新聞の一面を飾った。新興住宅地には、私たち家族と同じ様な、他所の地域から引っ越してきた家族が多かったが、同じ小学校に通う同級生達は、祖父母たちと供に暮らし、その土地で生まれ育った人が殆どだった。この頃から、周りを気にしすぎな性格だった。どちらかと言うと内向的な性格な為、友人関係を構築するのは難しかった。それでもまぁ、それなりに楽しく過ごせていた。

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