煩わしいほど可愛くて、死にたくなるほど愛おしい
- ★★★ Excellent!!!
結論から申し上げるなら、この物語はハッピーエンドを迎えるためのお話です。
最愛の人と一緒に過ごす、幸せな日々。
そこで物語を締めくくることができれば、疑いようのないハッピーエンドですよね。
ところで、人生はよく物語に例えられます。
生まれることで幕を開け、一人以上の登場人物と関わりを持ち、大なり小なり紆余曲折を経験する。
では、人生の幕引きって何でしょう?
幕開けが生まれることなら、幕を引くのはやはり死ぬことでしょうか。
──あえてもう一度申し上げるなら、この物語はハッピーエンドを迎えるためのお話です。
七海とほのか。生活リズムも死生観も異なる二人が「愛してる人と一生を共にしたい」という同音異義語の赤い糸で結ばれている、ハッピーエンド探しのお話なのです。
難波 霞月さんの軽やかな語り口が、しっとりと質量を持った情愛の糸を材料に編む共依存百合短編。
ハッピーエンドって、なんでしょう。