冬は巡る

守智月 茶沙

冬のざわめきと、一滴の光

 2021.12


 冬、十二月。

 大人も子供も、ソワソワとしながら走り回る時期。

 みんなどこか焦っていて、どこか大丈夫だろうと高を括っている、そんな忙(せわ)しない季節。


 来年には俺たちも『受験生』になる。

 周りの連中は少しずつ走り出しているのに、なぜか俺だけが取り残されているような気がしていた。




 公園のベンチで空を眺めている俺は、桜木悟志。高校二年生。

 冬期講習に行けと言われるようになって、いよいよ受験が現実味を帯びてきた。

 でも、心がついていかないまま、冬だけが勝手に進んでいる。


 今日は、講習に行かずにここへ来てしまった。

 やらなきゃいけないのはわかっているのに、足が動かない。


 『まだ』受験生じゃない。

 だけど、準備だけは求められる。

 そのギャップみたいなものが、胸の奥でずっと重くのしかかっていた。


 気づけば、公園のベンチで白い息を吐いていた。

 空は明るいのに、心だけがどこにも向かえない。

 体が冷えてきたのも、動けない言い訳みたいに思えてくる。


 マフラーに顔をうずめて目を閉じる。

 今日くらい、現実から逃げてもいいだろうか――そんな弱い声が心の中で繰り返し響いた。




 しばらく目を閉じていると、隣にふっと人の気配が落ちた。

 ベンチがわずかに軋み、思わず目を開ける。


 隣には、コートにマフラー姿の、落ち着いた雰囲気の男の人が座っていた。


「寒いですね」

 穏やかな声と一緒に、缶のココアを差し出してくる。


「自販機で一本買ったんですが、もう一本当たってしまって。もし良かったら」


 初対面の人の厚意に戸惑いながらも、手にした缶の温かさに思わず救われる。

 甘い匂いが、冬の冷えた空気にふわりと混ざった。


 ココアを半分ほど飲んだころ、男の人が静かに尋ねた。


「悩みごとですか」


 男の人の問いに、胸のどこかがちくりとした。

 でも、それが何に対してなのか、自分でもよくわからない。


「……よくわからないんです」

 言葉にすると、余計に曖昧さが増す気がした。


「どうしてなのか、自分でも説明できなくて。気づいたらずっと胸の奥が重くて……理由もわからないまま、ただモヤモヤしているだけで」


 口に出してみても、結局 『わからない』しか出てこなかった。

 それでも男の人は、頷きながら黙って聞いてくれていた。


 気づけば、冬期講習へ行けなかったこと、みんなが先に進み始めている気がすること、自分だけ取り残されているような焦り――

 全部うまくまとめられなかったが、溢れ出すように言葉が出た。


 話し終わると、胸の中の重さはそのまま残っていた。

 けれど、少しだけ息がしやすくなった気がする。


 男の人は飲みかけの缶をベンチに置くと、静かに言った。


「少し、昔話をしてもいいですか」


 それは、『答えを教えてくれる』というより、『経験談を話してくれる』という響きを持っていた。

  


 1984.12


 冬、十二月。

 世は師走(しわす)。

 古来、家々で師(僧)を迎えて読経などの仏事を行うため、師が東西に忙しく走り回った季節。


 吐く息が白く伸びて、すぐに空気に溶けていった。

 師走の街は忙しないのに、僕だけ時間が止まってしまったようだった。


 僕は鳴海高校二年、文芸部の部長をしている加瀬ソウヘイ。

 今日も例によって、公園のベンチで空を見上げていた。


 ――未来のことを考えると、胸がざわつく。


 どんな大学へ行くべきか。

 どんな仕事を選ぶべきか。

 父の言うように、景気は長くは続かないのか。


 現実的に考えるなら、堅実な大学へ進んで、安定した企業に入るのが一番いい。

 それはわかっている。頭では。


 でも。


 本当は、違う道に惹かれている。

 小説家――そんな不安定で、運と才能に頼るしかないような道。


 夢の存在ははっきりしているのに、そこへ向かう一歩がどうしても怖かった。

 踏み出せば、なにかを失うような気がして。


 だから僕は、今日もここで、動けずにいる。


 決められないまま時間だけが過ぎ、もやのかかった未来を、ただ眺めているだけだった。




 視線を落としていた僕は、ふと正面に影が落ちたことに気づいた。


「おわっ!」


 顔を上げた瞬間、目の前すぐそこに女性が立っていた。

 赤い革ジャンに細身のパンツ。真冬なのにマフラーも手袋もなし。

 夜の公園でこの温度感は、どう見ても『普通じゃない』。


「おー、やっと動いた! ずっと固まってたから、てっきり凍死したのかと思ったよ!」


 本当に楽しそうに、悪びれもなく笑っている。


「す、すみません……考えごとをしていて」


 言い訳がましく答えると、彼女はずいっと近づき、僕の左隣にドサッと腰を下ろした。


「考えごと? そりゃいいねぇ!青春だねぇ!」

 にやりと笑って、僕のほうへ体を向ける。


「で、少年。どんな悩みを抱えてるわけ? ほらほら、お姉さんに話してみなさいよ!」


 その勢いに飲まれて、断るタイミングを完全に失った。


 本当は、軽々しく話すような内容じゃない。

 誰にも言ったことがない、小説家の夢のこと。

 現実との折り合いがつかず、踏み出せない苦しさ。


 なのに――


 言葉が止まらなかった。

 押し込めていたものが、一度こぼれたら止まらない。

 自分でも驚くくらい自然に、全部、話してしまっていた。


 彼女は途中で口を挟むことなく、ただ、本当に楽しそうに、目を輝かせながら聞いていた。




 僕がすべてを話し終えたとき、彼女はぱんっと手を叩いた。


「よーし、少年! そんな君にピッタリの『いいところ』がある!」


「え、あの、ちょっと――」


 止める暇もなく、僕の手をぐいっと掴んで立ち上がらせる。


「悩んで動けないときはね、景色を変えるのが一番なんだよ! ほらほら、善は急げってやつ!」


 あまりに勢いがよすぎて、言葉が追いつかない。


「ちょ、ちょっと待ってください! 急にどこかへ行くなんて……!」


 手を引かれながら踏ん張ると、彼女はぴたりと止まった。

 さっきまでの元気はどこへやら、しょんぼりと肩を落とす。


「……嫌だった? ちょっと見せたいものがあっただけなの……」


 子犬みたいにしゅんとする姿に、胸の奥がきゅっとなった。

 自由奔放で大人みたいに見えて、でもどこか子供っぽい。

 この人はきっと、嘘がつけない。


 僕は息をついて言った。


「……家に電話してきます。泊まるって嘘をつけば、なんとかなるので」


「ほんと!?」


 顔が一瞬で花みたいに明るくなる。




 電話を終え戻ってくると、彼女は駅の前でそわそわしながら待っていた。


「よーし行くぞ少年! レッツゴー!」


 再び手を掴まれ、そのまま電車へと連れ込まれる。


 座席に押し込まれた瞬間、「ちょっと待っててね!」とだけ言い残し、彼女はホームへ飛び出していった。


 何をしているのかと思えば――

 戻ってきたとき、手に提げていたのはお弁当だった。


「はぁ、はぁ……晩御飯買ってたら、もう発車するところだった~!」


 彼女は自分の分と僕の分、同じ幕の内弁当を抱えて息を弾ませている。


 電車が動き出すと、彼女はうれしそうに弁当を開けた。

 ほかほかじゃないし、冷めているのに、まるでご馳走みたいに目を輝かせている。


「ん~~~~~! うまっ」


 彼女は嬉々として箸を動かし、好きなものから順番に食べていく。


 僕はというと、母の温かい夕飯が思い出されて、冷たい卵焼きに箸をつける手が少しだけ止まってしまう。


 その様子に気づいたのか、彼女は僕の弁当をじーっと見つめ、目を輝かせた。


「少年、それ食べないなら……もらってもいい?」


「えっ……あ、どうぞ」


「いいの!? やったぁ!」


 本当に子供みたいに頬を綻ばせながら、彼女は僕の苦手な冷めた卵焼きをぱくりと頬張った。


 その無邪気さに、僕の胸の中の重さがふっと和らいだ気がした。

 景色はまだ変わっていないのに、周囲の温度だけが、妙に温かく感じた。




 弁当を食べ終わるころ、電車は大きく揺れながら郊外へ差し掛かっていた。

 車内は空いていて、僕たち以外には数人の眠そうな大学生がいるだけ。


「次、乗り換えるよー!」


 ナツミさんは空の弁当箱をまとめると、僕の返事も待たずにホームへ降りていく。


 乗り換えた電車は、終電だった。

 車両全体が静まり返っていて、どこか秘密基地のようにも感じる。


「ここから終点まで乗るよー。眠かったら寝てていいからね?」


 僕より先に、彼女の声が眠気を含んでいた。


「眠くないので大丈夫です」


 そう返すと、彼女は満足そうに頷き、正面の座席に腰を落とした。


 電車が動き出すと、駅の灯りが窓を流れながら後ろに消えていく。

 車輪の響きだけが、ゆったりとしたリズムで耳に入る。


 しばらくは二人とも黙っていた。

 言葉が要らない沈黙だった。


 やがて――。


 かくん。


 正面に座ったナツミさんの頭が大きく揺れた。


「……ナツミさん?」


 返事はなく、かわりに規則正しい寝息が聞こえた。


 完全に寝ていた。

 まるで子供みたいに安心しきった顔で。


 赤い革ジャンの襟元から覗く首筋が寒そうで、僕はそっと自分のマフラーを外し、彼女の肩にかけた。


 冬の夜の電車は静かだった。

 何分、何十分、どれほど時間が流れたのかわからない。

 揺れと寝息だけが、ゆっくりと僕の警戒心をほどいていく。


『進むことしか知らない人みたいだと思ってたのに……』

 こんな無防備な姿を見るとは思っていなかった。


 夜行電車の窓に映る自分の顔は、どこかいつもより落ち着いて見えた。


 彼女の寝息に合わせるように、僕も少しだけ目を閉じる。


 怖さも、不安も、未来への迷いも――すべてが車輪の響きに混ざっていって、ただ「今ここにいる」という事実だけが残った。


 やがて終点のアナウンスが流れ、車両の灯りがわずかに明るくなる。


「……ついたよ、ナツミさん」


 声をかけると、彼女はぱちりと目を開け、伸びをした。


「ふぁぁ……よく寝た! あ、少年、マフラーありがとね。よーし、行くぞー! 『いいところ』はもうすぐだよ!」


 寝起きでも変わらず元気で、さっきまで僕の前で眠っていた人と同じとは思えなかった。


 でも――

 その無防備さを知ってしまったせいか、僕の歩く速度は、自然と彼女の横に並んでいた。




 終点の駅に降り立つと、空気がひんやり肌へまとわりついた。

 駅前にはタクシーも人影もなく、街灯だけがぽつぽつと続いている。


「さーて! ここから歩くぞ少年!」


「どれくらいですか?」


「んー……けっこう!」


 けっこうってどのくらいだ、と思ったが、聞き返したところで多分答えは変わらない気がして黙った。


 ナツミさんは、まるで深夜の道を自分の庭のように歩いていく。

 僕はその少し後ろをついていく形になった。


 最初のうちは気を張っていたけれど、十五分ほど歩いた頃、足音のリズムに意識が溶けていった。


 コッ、コッ、コッ。


 アスファルトに落ちる二つの足音。

 街灯の下だけが白く浮かび、すぐに闇に吸い込まれる。




 歩きながら、何度も自販機を見つけた。

 青白い光がぽつんと浮かぶたびに、ナツミさんは吸い寄せられるように寄っていく。


「スープ飲む?」


「おしるこ飲む?」


「今度はココア!」


 そのたびに缶を二つ買ってきて、僕に片方を渡す。


 歩く、温まる、また歩く。


 その繰り返しが、だんだん心地よくなってきた。


 時計を見ていなかったせいなのか、時間が伸びたり縮んだりしていくように感じられた。

 気がつけば、小一時間以上歩いている。


「本当にどこに行ってるんですか」


 とうとう聞くと、彼女は自信満々に答えた。


「いいところ!」


 それ以上は言わない。

 言わないくせに、期待だけは自然と膨らませてくる。




 やがて、潮の匂いが風に混ざった。

 ほんの少し湿っていて、ほんの少し冷たい独特の空気。


 防潮堤が目に入り、ナツミさんはテンションが跳ねる。


「あ! ほら! あそこ、扉開いてる!」


 彼女が指差した先には、防潮扉が開いたままになっていた。

 その奥には、夜の砂浜が広がっている。


 僕は防潮堤に鞄を下ろし、風を吸い込む。

 鼻の奥までひんやりする潮風。

 遠くで小さく波が崩れる音。


「ここを抜けるとね、少し静かになるよ」


 ナツミさんは先に砂浜へ降り、ローファーのままサクサクと歩いていく。


 彼女の足跡だけが砂に小さく残っていく。

 僕の足跡がその後を追い、二つの線になった。


「少年! カニがいた! ちょっと来て!」


 夜の海辺でしゃがみこむ彼女を見ながら、本当に来てよかったのかどうかもわからないのに、胸の奥がふっと軽くなっているのを感じた。


 波の音と、彼女の笑い声。

 深夜の冷たい空気と、どこか温かい沈黙。


 歩き続けた長い時間は、『答えの出ない悩み』を抱えた僕には、必要な『揺らぎの時間』だったのかもしれない。


 ここに来るまでの道のりそのものが、少しだけ僕を前に押し出した。




 波打ち際に座り込んでどれほど経っただろう。


 夜は深く、海は暗く、波音だけが一定のリズムで続いている。

 歩き続けて冷えているはずなのに、胸の奥が不思議と静かだった。


 ふいに、まぶたの裏がほの白く染まる。


「少年、ほら」


 ナツミさんが僕の肩を軽く叩く。


 目を開けた瞬間——

 水平線の向こうに、細い光の筋が生まれていた。


 暗闇の底に、一滴の光が落ちるみたいだった。


 それは線になり、少しずつ太くなり、世界の端がゆっくりと白くほどけていく。


 思わず息を呑んだ。


「……すごい」


 すると、口が勝手に動いていた。


「闇って、こんな風に溶けるんだ。黒い海の上で、光が線になって……。まるで、誰かが世界を書き換えてるみたいだ」


 自分でも驚くほど素直に言葉が出てきた。


「夜の静けさに筆を入れて、そこから朝が始まって……。世界が『次の章』に進んでいくみたいだ」


 ナツミさんは、目を丸くして僕を見つめたあと、ゆっくり笑った。


 それは『面白い話を聞いたとき』のじゃなくて、『なにかいいものを見つけたとき』の笑いだった。


「少年。今の言葉、めっちゃよかったよ」


 ナツミさんの頬にかかる髪を風が揺らす。


「物語の始まりみたいだった。こんなふうに世界を見られる人、そうそういないよ」


 僕は返す言葉がなかった。


 光は広がり、海面の色が黒から群青へ、群青から金へと変わり始める。


 世界が静かに生まれ変わる。


 その変化を見つめながら、ナツミさんは言った。


「ねぇ少年。『現実的かどうか』は、夢を選ぶ基準じゃないよ」


 そして、夜明けの光の方へ顔を向けたまま続けた。


「少年は……きっと小説家になれるよ」


 胸の奥が熱くなった。


 根拠なんて、何一つ言われていない。

 でも、今の僕の言葉を聞いた上で『そう言ってくれた』ことが、何より重かった。


「……僕に、そんな力があるでしょうか」


 震える声で呟くと、ナツミさんは笑った。


「あるよ。だってほら——」


 朝日が海を照らしきった瞬間を指差しながら。


「さっき、世界の夜明けを『物語』にしたじゃんか」


 迷いのない声だった。


 世界が明るくなるのに合わせて、僕の中でなにかが静かに動き始めた気がした。

  

      Re. 2021.12


「そのあとは、僕が最初に出会った公園までナツミさんを連れて帰ったんですよ。彼女に帰り道忘れたって言われましてね」

 隣に座る彼は、終始楽しそうに『昔話』を話していた。


 僕は、胸の奥がじんとしたまま、ゆっくりと口を開いた。


「……すごいですね。そんな人と出会えるなんて」


「すごいよ。本当にね。僕みたいに現実ばかり気にして動けなかった人間にとっては、あの人は……『朝』みたいな存在だった」


 ソウヘイさんは、ベンチから立ち上がりながら続ける。


「だから……悩んでるって聞くとつい思い出すんですよ。誰かの背中を押すのも、大人の仕事かなって」


 手袋を直すように指を軽く組みながら、空を見上げた。


「……あ」


 気づけば、公園は薄暗くなっていた。


 ソウヘイさんはいつの間にか立ち上がり出口の方へ歩き出していた。

 公園の入り口に差し掛かったとき、そこで僕の方を振り返った。


「君の話を聞いていて、昔の自分を思い出しました。理由がわからなくて、胸の中だけがざわざわして……。でもそれってね、悪いことじゃないんですよ」


 風にマフラーが揺れた。


「止まっているようで、実はちゃんと『動き出す前』だったりする。……少年の頃の僕がそうでしたから」


 僕は言葉を失ったまま、ただ立ち上がるのを忘れていた。


 ソウヘイさんは軽く会釈して、公園の外へと歩いていく。


 その背中に、気づけば声をかけていた。


「……あの! お名前は、なんて言うんですか!」


 振り返った彼は、口元にいたずらっぽい笑みを浮かべた。


「加瀬ソウヘイ。……またの名を、『冬木夏梅』といいます」


 驚く間もなく、彼は片手をあげて言った。


「では、良い冬を」


 そして、冬の夕日に溶けるようにして姿を消した。


 残された僕は、冷たい缶ココアを握りしめたまま、しばらく動けなかった。

  

     2031.12


 冬、十二月。

 大人も子供も、ソワソワとしながら走り回る時期。

 みんなどこか焦っていて、どこか大丈夫だろうと高を括っている、そんな忙(せわ)しない季節。


 放課後の図書館は、冬の空気みたいに静かだった。

 進路資料の手直しをしていると、勢いよく扉が開く。


「桜木せんせ〜、進路相談やって〜」


 秋里(あきさと)が、頬を赤くして入ってくる。


「お前なぁ……この前の三者面談でも『特にやりたいことなし』って言ってただろ」


「だって~今悩んでるの。なんか、みんな決まってる感じするし……。私だけぼんやりしてるっていうかさ」


 その言葉に、胸の奥がひどく懐かしくなる。


 十年前の自分がまさにそうだった。


 パソコンを閉じ、椅子の向きを秋里の方へ変える。


「悩むのは悪いことじゃないぞ。止まってるように見えてもな」


「先生、なんでそんなこと言えるの?」


 秋里がじっとこちらを見つめてくる。


 少しだけ息を吸って、冬の冷たい空気を胸に入れる。


「あのさ、秋里」


「ん?」


「……少し、昔話をしようか」

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