第7話

精霊郷に飛ぶと周りを妖精や精霊達に取り囲まれる。だが僕が事情を説明すると精霊達は郷の奥にある大木まで案内してくれた。


この大木は世界樹、そして精霊神でもあるらしい。この郷の他にもエルフ国などにも分体がいて世界を見守っているとのこと。


そんな精霊神から僕は相談を受けた。なんでも最近世界のあちこちで強力な魔物が出現するなどの異常が出ているらしい。この辺の話はオニキス様もしていたな。


まぁゲーム的に考えると運営がイベントやボスを追加したんだろうがそんな考えは顔に出さずに話を聞いていく。


精霊や妖精達もどうにかしようと頑張っているようだが成果は乏しい。そこで創造神の加護で何度も生まれ変われる旅人ならどうにか問題を解決できないかという相談だ。


もちろん旅人に丸投げというわけではない。精霊達も引き続き魔物の討伐など自分達で解決できそうな問題には対処していくらしい。


そしてこのクエストのおそらく最大のメリットだろう話がされる。精霊神の子供になれるらしい。これは一部の種族限定で起こるイベントのようだ。


精霊神の子供になればよりスムーズに問題の解決に臨める。プレイヤーとしては強力な力が得られる。双方にとって損のない提案だろう。


クエストを受けるを選択すると精霊や妖精達が楽器で厳かな音楽を奏で始める。一部の精霊達は歌ったり踊ったりしている。


まるでこれから神聖な儀式をするような雰囲気の中イベントが始まる。無数の木の枝が伸びてきて僕は空中に抱え上げられ少し上にあった精霊神の顔が目の前までくる。


そこで一度優しく頭を撫でられたあと、一本の枝が差し出される。それを促されるまま口に含むと『特殊進化しますか?』のメッセージが現れる。


Yesを押すと身体が光だし暑くなってくる。しばらく待っていると光も熱も引いていき軽快な音と共に『エレメンタルから精霊王子(エレメンタルプリンス)に進化しました』というメッセージが表示される。


その後、精霊神の合図で宴が開催され、様々な精霊達と交流する。この世界に来てからいきなりオニキス様に会い、次は精霊郷といままで休む暇がなかった僕はこの宴を思いっきり楽しんだ。




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