多神族に見守られ日常を営む人間たちの描写が秀逸。作者の確固たる世界観に即引き込まれる。
家族愛、友愛、親愛、慈愛など哲学的なテーマを内包しつつ、主人公の異世界転生者らしい発想や行動が笑いと涙を誘う。
また作者の言葉遊び、言葉の選び方には感嘆する場面が多く一見の価値あり。
一服の清涼剤たる読後はとても余韻がいい。
作者によると一旦完結らしい。物語としてはここで締められても十分有終の美だと思う。だが、主人公たちの先の生きざまを見ることができるのならば、ぜひ拝みたい。そう思わせてならない内容の豊かな作品だと感じた。
作者の別の書籍化作品『逃亡賢者(候補)のぶらり旅』は、W主人公の異世界転移冒険活劇でコメディ色が強く文句なしにおもしろい。こちらの『オリガミ様は神にあらず』は、そちらとは全く違う静謐な雰囲気で違う意味で引き込まれおもしろい。
独自の世界を生み出す“BPUG”という作者に、出会えて良かったと心から思えた作品。