第29話 作戦失敗したけど、甘い(2)
広告たちもいよいよ終盤に差し掛かるか―――と思われた。周囲で小さくおしゃべりをしていた客や女子たちも静まり返る。いよいよめちゃくちゃに怖い映画がスタートする―――
その時、僕から最も遠く、左側にある人影がもぞもぞと動き出した。
と、
僕も、足の位置をずらして
「
「多分お花摘みだろうから、戻ってきても聞いちゃ駄目だよ」
「お花摘み? 花畑なんてないだろ」
「早坂、君ってヤツはいったいどうなってるんだ。それはジョークかい?」
「おいおい今の言葉のどこに面白いポイントがあるんだよ」
早坂はお花摘みを知らなかった。どうなっているんだ?
「悪い、
「もう飲み終わったの!?」
「ああ。今日という日が楽しみすぎて、お前らとたくさんおしゃべりした結果、喉が乾きすぎてサイダーをガブ飲みしちまった」
「ナチュラルに可愛い発言やめてよ……というか、高いよ? 映画館の中の自販機は。それとも、またロビーの売店まで戻るつもり?」
暗闇の中で、
「いや、意味分からんくらい高い自販機で買うぜ。わざわざロビーまで戻ったらさ、金欠大学生みたいだろ?
「金欠大学生の事情も知らないで何てこと言うんだ。それに、僕らだって金欠中学生だろ」
「それもそうか」
そう言うと
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