第23話 映画館でも、とろけるほど甘い(1)
今日は、12月27日。
冬休みに入って三日目の僕は、街で一番大きな映画館の入っている遊園地にいる。
先日、
僕は、あんまりにも早く
にやりと笑った
すぐに脳みそを左右にシェイクし、無理やり『
薄暗い映画館の入り口付近でそんな行動を取ったため、横にいるメガネが似合う物静かな山田から『
……今回、女子4人、男子4人というお初のメンツで集まることになった時は、わりかし緊張した。多分、プリクラを撮ったりなんたりという、青春チックなことをするのだろうが、僕にはそのようなキラキラした経験はあまりない。
情けないことだが、巨大な映画館のサービスカウンターにある『ポップコーン M size ¥900』という法外な価格の炒りとうもろこしへ恐れをなすことしかできない僕なのであった。
***
「楽しみだね〜
「だね〜っ! ホラー映画って、わたしあんまり見たことないんだよね。楽しみ」
「
「んや〜。一年に何回かしか見ないレベルだ……だから今日楽しみにしてたの〜」
でも、彼女たちの会話へわざわざ割って入れるほど、僕の心臓は強くない。ここは大人しく、シケた面の男子どうしで会話に花を咲かせておこう。
ニット帽を被って洒落込み、ポケットに両手を突っ込んで歩くスカした
「ねえ
「んあ? ああそうだよ。俺の兄ちゃんが、好きな人と見に行ったらしくてな……そうそう、この話はお前にしてなかったよな?」
「へえ。
僕の返答を聞くと、
「どうやら……俺たちが今から見る映画、めちゃくちゃな怖さらしいんだよ」
「つまり、今日この映画館を出る時にはだ。俺たちの誰かと、女子たちの誰かの関係が変化している可能性があるんだよ」
「
「正解だ。ちなみに、映画館内でのシート席順は、男女ごちゃ混ぜになっている……が、もちろん俺は細工をする。当然、俺は細工をする」
そんな澄んだ瞳で言うことじゃないよ、
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