第5話 グライスハーヴェン本領に到着
グライスハーヴェン代官レオポルト一行は、街道沿いを進んでいた。グライスハーヴェンの街道沿いには、いくつかの村落が点在し、港街を行き交いする人々のための宿屋や馬屋が整備されている。
レオたちは本領である荘園とグライスハーヴェンの中間の村落で宿を取ることとなった。余裕を持った行程であり、明日の昼頃には本領に到着するだろう。
「レオ、道中の村々を見てどう思った?」
「人々に活気がある様に見えました」
初日の宿で、父のレオポルトがレオに問うと、レオは素直に答える。
レオが答えた通り、グライスハーヴェンからの街道沿いの村々は活気があり栄えていた。それらの村々は、グライスハーヴェン代官領であり、代官である父レオポルトが統治している。
グライスハーヴェン代官領の村々は領地の中心である港街へ物資を供給し、港街を往来する人々が落とすカネや港街から取り寄せる物資などで豊かな生活を送っていた。
グライスハーヴェン代官領が繁栄しているのは、領地を代々統治しているグライスハーヴェン家が善政を布いているからだ。
父であるレオポルトはレオに、グライスハーヴェン家の統治について簡単に説明しながら、その日の晩餐を終える。明日の出発に備えて早めの就寝となった。
「出発!」
警護隊長の号令で宿の前から、グライスハーヴェン代官一行の車列が出発する。車列は村を出て街道沿いに進んで行く。
街道沿いには、グライスハーヴェンから来た時の様に、村落が点在している。そう言った村々を通り、進んで行くと街道が分かれる場所があり、街道から外れた道を進んで行く。
「我が家の本領たる荘園はこの先にある」
父レオポルトから、先ほど街道から曲がって進んでいる道の先に本領があると告げられる。
暫く進んで行くと警護の騎兵から、もうすぐ本領に到着する旨の報告を受けた。
馬車から顔を出すと柵に囲まれた小さな町が見える。馬車から顔を出す行為をはしたないと父に咎められ、馬車の座席へと戻る。
暫くすると、町の柵の門に辿り着く。
「領主様、異状ありません!」
町の衛兵の長と思しき男が馬車の横から、父のレオポルトに報告する。門にて報告を受けた後、車列は町を進んで行く。
本領の小さな町は、港街であるグライスハーヴェンに比べると並んでいる建物は質素であり、少なかった。
ただ、これまで通ってきた村々に比べると立派で、活気もあって賑わっている印象だ。
車列が町の表通りを進んで行くと、一軒の大きな屋敷の前に止まる。屋敷の門の衛兵たちから報告を受けていたので、本領の屋敷についたのだろう。
レオと父レオポルトが馬車から降りると、複数人の男たちが待ち構えていた。その中で最年長と思しき壮年の男性が前に進み出ると、父レオポルトに一礼する。
「旦那様、ようこそノイ・グライスハーヴェンへ」
その後、レオと父レオポルトたちを含めた文官たちは屋敷の中へ入っていく。
レオは屋敷の中でフェネデールから、この町がノイ・グライスハーヴェンと言う町であることを教えられる。この町は元々は違う名前の村だった様だ。
しかし、グライスハーヴェン家の初代であるヴァルテンハイン家の子息が、港街のグライスハーヴェンの代官に任じられ、その際に本領としてこの町の元となる村を与えられた。
グライスハーヴェンの代官として、グライスハーヴェン家を名乗る様になると、本領である村にも港街で得た富を元に開発が進められ、小さな町へと発展する。荘園領主であるグライスハーヴェン家から、ノイ・グライスハーヴェンと言う名に改められたと言う。
街道からノイ・グライスハーヴェンへ向かう際に進んだ道は、この町より更に先に繋がっている。この先にもグライスハーヴェン家の荘園である村々が点在し、ノイ・グライスハーヴェンはグライスハーヴェン家荘園群の中心地となっていた。
明日以降、ノイ・グライスハーヴェンの町や荘園群を視察することをフェネデールから告げられ、レオは就寝する。
「この町や他の荘園を訪れるのが楽しみだなぁ」
レオは荘園にスローライフを夢見て、眠りに就くのであった。
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