第7話 川に人形を流す老婆
今日、淀川の河川敷へ行った。水の澄み具合を確かめておきたかった。
必ずしも京都の桂川でなくてもよい。川の水が清らかであれば、それで十分だ。
水の美しさは季節や日によって変わるものだから。
できる限り多くの場所から人形を流したい。
その方が可能性も上がる――そう信じている。
そう考えながら歩いていると、偶然にも山崎
最初は美和かと思ったが、妹のほうだった。二人の顔を見間違えるなんてあり得ない話だが、子どもを連れていたのが永和だったから仕方がない。
あの家族のことはすべて調べてあるが、永和に会うのは初めてだった。
赤ん坊を見て、胸の奥がざわめいた。
話しかけるつもりはなかったのだが、赤ん坊を見ると、感情が高ぶり 思わず歩み寄ってしまった。
――そして、思わずその首に手をかけようとしたが、うまくはいかなかった。
私は人形を抱えていたので、両手を使うことができなかったのだ。
結果的には、それが良かったのかもしれない。一時の感情に任せて行動してはならないのだ。
危うく、感情に任せてしまいそうになったが。
私の計画は、こんなところで躓くわけにはいかない。
この三年間、――――の誓いのもと、幾度も人形を流し続けてきた。
経済的な負担も大きかったが、もう私には失うものはない。一番大切だったものをもっと大切にすればよかった。
第一の門は通過した。●●を思い出し、人形を作ってもらった。
川に人形を流すたび、●●との記憶が蘇り、心が繋がっているように感じた。
第二の門も通過した。いよいよ第三の門へ。
●●になれる喜びに、心が震える。
ありがとうございます。ありがとうございます。ありがとうございます。ありがとうございます。
やっと●●になれる。よろしくお願いいたします。よろしくお願いいたします。よろしくお願いいたします。
●●のために。●●のために。それが私のすべて。
ありがとうございます。ありがとうございます。ありがとうございます。ありがとうございます。ありがとうございます。
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