第2話

『無能?役立たず?そんな免罪符作って、予防線張って、自分の可能性を自ら殺してる。』


可能性…………。   


『大切な人、一人でさえも救えない無能が。お前のせいで……お前せいで!』


そうだ。僕のせいで。


『自分を一番信じて、一番愛してあげられるのは自分だけでしょう。一番の味方は、自分自身でなきゃ。』


味方……?



 「はっ、ごめんなさい。ーーーごめん。」


 また、だ。また、この夢だ。過去の君と君の大切な人が、交互に声をかけてくる夢。背中は汗で湿っていて、不快感に襲われる。あぁ、きもち悪い。


 この不快感も日常だ。必然的に眠りは浅くなり、日常生活に影響を出し始めている。君も、もうここにはいないのに、しつこく呆れる程にこの夢を見る。

 いつまで囚われていればいいんだろう。

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