第九章

第九章 成長


 ティリンは 純白の 絹の ドレス

 裾には 星屑のような 祈りの破片が ちりばめられ 頭上には プラチナのティアラが のっていた

「王様」

 唇には 桃色の口紅

 そして 指にはあの ブルームーンストーンの指輪

「ティ……リン」

 あ……声が完全に 変わっていた

「僕声変わりしたんだ」

 成長されましたね

 バレンタインと 並ぶと 背はおなじくらい

「ご成人おめでとうございます王」

「へ……」

 王……貴方様だけ時が進んだのですよ

「へ……」

 なんだか寂しい

「ティリン……あの僕」

「后とお呼びください」

 嫌だよ……なんで?

 滅ぶ星があり

 貴方様が 祈りの果てに 旅立たれなければ危険なのです

 どうかお聞き分けられて!

 バレンタインが 片膝を つく

「精霊王!」

「ちがうもん……ちが……」

 涙がハラハラ落ちてくる

「王」

「王」

ティリンが エルディアの 頬にキスした

 私も成人しました

 お傍にずっと!

「孫よ」

「僕じゃなきゃだめですか?」

 ポツリ言う

 お前にしか出来ない

「精霊王1世エルディア!」

 くっ!

 エルディアが 唾を飲む

「ティ……いや 后よ……」

「はい」

「共に来てくれるか?」

「もちろんです」

 バレンタイン!

 お供いたしますよ精霊王様

 全てが頭をたれた

「俺も行くよ……な!だから泣くな!」

「ハウル」

 魔法王として 補佐を させてもらう

「星の帆船が 来る!その前に式をあげろお后の 夢をかなえてやれよ 」

 ハウルの手が エルディアの 頭にふれると エルディアは 正装へと変わっていた

 さあ!

 海が割れる! その先に 海底神殿は あった

「精霊王の 神殿だ!」

「いってこい!」

 かっこいいぞー!

 ロップが 叫んだ

 エルディアは ふりかえると 手をふる


行ってくるよ

 

 

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