◆stage:3
真白がツクシ洲政府自衛軍・アスシソに入隊してから約1ヶ月が経った。
ゲームの影響か、真白はスサノオを自らの手足の延長のように完璧に乗りこなした。機体の性能の高さもあり、アスシソのエースパイロットとして一目置かれる存在となった。(他のパイロット達に、機体の性能がいいだけだろ?と妬まれることも多々あるが。)
11月中旬。ツクシ洲には澄んだ空気が流れ、遠くの山々が雪化粧を始めているのが望めた。ハカタ湾の人工島に擬態しているアマテラスの艦内も暖房が効いているが、外は冷たい冬の気配が漂い始めている。
この約1ヶ月間は、ギアステイツの模擬訓練をしたり、白兵戦になった時の為に銃やナイフの使い方を習ったりした。普段は野戦病院でボランティアをしているミンネルには、応急処置の方法を教えてもらったりしていた。それと同時にツクシ洲の周囲に変化がないか哨戒したり、他国の攻撃を察知した時に迎撃したりする毎日を送った。
休暇をもらったときは、ミンネルに基礎医学の勉強を教えてもらったり、スサノオでフタナノ洲にこっそり行って兄の手がかりを探したりした。(どこに行っても焼け野原や瓦礫の山ばっかりで、今のとこなんの手がかりもないんだけど⋯。)
今朝は鷹嶋司令が隊員達を招集して作戦室で会議を行った。各脅威国が保有する核爆弾やミサイルを奪取し、ツクシ洲をはじめとするミズホ同盟加盟国への脅しの材料とならぬようエリアゼロに保管せよという指令だった。
指令を受けた真白をはじめとするアスシソのギアステイツパイロット達はそれぞれの担当地域へと飛翔した。数日かけて少しずつではあるが、核爆弾やそれを運ぶミサイルなどの脅威的な存在を回収し、エリアゼロへとの保管庫に格納した。(核とかミサイルとか正直怖いけど、スサノオなら大丈夫だよな?)
中には任務の途中、敵国に気づかれてしまい攻撃により死亡したアスシソパイロットもいた。別に仲が良かったわけではないが、食事の時に顔を合わせたり、訓練が一緒になった事のある人間が乗ったギアステイツが爆破し、海に散るのを見るのはさすがにショックだった。
さらに真白自身も撤退要請に応じない敵国パイロットをアマテラスとツクシ洲を護るために攻撃し、殺めてしまうことがあった。
俺は人殺しだ⋯。と真白が嘆いていると、それで守られた命がある。と、艦の皆は言ってくれた。無抵抗の相手や民間人ではないが、アマテラスとツクシ洲を護る為に攻撃した結果、敵国パイロットを殺めてしまった自分の行いが侵略者である敵国と同じ行いに思えた。真白は、正義を見失いそうになり、苦悩した。しかし、話し合いで解決する相手なら、そもそも侵攻などしない。自国を護るためには、やはり相手を殺めてでも、戦わなければならないのか。真白の心は、殺した兵士への罪悪感と、兄を奪った敵国への怒りの間で揺れ動いていた。
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