青い疾風(ブルーゲイル)! ~蒼炎(そうえん)の断界編~
島村 翔
第1章 始まりの風
1 「青い疾風(ブルーゲイル)」始動!
「おい、ヒース! お前…………まさか、お前……」
「ヒース!? どうしたのその、その姿!!」
「ヒース!
「そんなぁ――嘘だと言って。お願い、全部……夢だと言って……!」
仲間たちの声が、痛いほどヒースの耳に突き刺さる。
呼びかけは次第に混乱と怒り、そして悲しみを帯びていく。
ヒースは、ゆっくりと視線を落とし、力なく
「お、俺は……ミッチーを探しに行ったんだ。だってよ、ミッチーがいねぇと俺――」
ヒースの言葉に、仲間たちは顔をこわばらせた。
自警団、「
そして物語は3か月前へと
――
~
◆
「
馬車が街道に差しかかった瞬間、黒いコートの少年が
春の風がオレンジ色の髪を荒々しく乱す。腰の日本刀に手を添え、彼は仲間が返事をする暇すら与えず一直線に駆け出していた。
4月。
新緑に包まれた、ここはチェスキー王国――とある大陸の中部の街。
赤い屋根が連なる町並み、街道沿いに咲く花々、陽光を浴びる石畳……。
本来なら、旅人の疲れを
――だが今、ヒースにはその景色を味わう余裕など一切なかった。1キロ程先の街で
彼の名前はヒース。(本名、
1歳の時、キャンプ中の放火に巻き込まれ、異世界へ
銃剣
その後、
この自警団はその後、トージが放った600体もの
チームの隊長であり、戦闘枠。
弱点は後先考えず、すぐに突っ走るところだ。
「おいヒース! ちょ、待てよ!」
隣に座っていた黒髪の少年も、街道沿いを走り出したその仲間へ手を伸ばす。しかし猛スピードで走っていく
「アイツを放っておくとロクなことない、僕が追うよ! 馬車を頼む!」
そう言うや、彼は
「
次の瞬間。
――シュンッ!
彼の姿は黄色い残像だけを残して、街道の先へ弾け飛んでいた。
彼の名前はミツヤ。(本名、
高校一年の夏、公園でバレーの自主練中、雷に打たれて
ヒースと出会った日、ヒースとは出会い
チームの仲間であり戦闘枠。
童顔である彼の弱点は、子供扱いされると秒でブチ切れること。
「あ――あ。ヒースもミッチーも行っちまったかよ」
と、御者台へ移動してきた金髪の青年は
彼の名前はアラミス。(本名アラミス・コンラート)20歳。
彼の父は護衛隊
だがその父をトージに殺されたことで、彼は護衛隊を憎み、ヒースが受けた入隊試験を狙撃でめちゃくちゃにした過去がある。
ヒースとの出会いは最悪、仲も険悪。
それでも――決して口には出さないが、互いが互いの腕を認め、どこかで信じていることを誰より本人たちが理解している。
チームの遠距離攻撃を担う狙撃手
弱点は――無類の女好き。
「まったく。しょーがないわね、あの2人は……」
キャビンの中で矢を
「事件の匂いがするたびに首突っ込んで……これじゃバチケーネにいつ着くのよ!」
彼女の名前はジェシカ。16歳。
ヒースの仲間であり、チームの中距離
弱点……といえるものは特にないが、
***《次回予告》***
ヒース:みんな! ひっさしぶり――ッ! 俺ヒース! みんな俺のこと覚えてくれてっか!?
ミツヤ:おいヒース、勝手に飛び出すなって言ってんだろ!?
ヒース:きたきた、その口調も久しぶりだなミッチー。けど今のセリフ、もっと後で使うヤツだろ? ここで言っちゃぁ出番なくなるぜ?
ミツヤ:はん? 隊長だからって登場早々、調子乗り過ぎだ。それより第1期を読まれていない読者様への案内は?
ヒース:第1期を読まなくとも楽しめるよう作者が配慮してくれているらしい。けど読んでみたい方への案内もあるぜ。
前回の話はこちらから↓。
https://kakuyomu.jp/works/16818093084040595774
ミツヤ:なんだ、それを先に言えよ。じゃ、次回のタイトルコール、忘れるな!
ヒース:へいへい。次回、第2話「
ミツヤ:お楽しみに!
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