普通の高校生"蓮"がふと現実と異世界の狭間で出会ってしまった妖精の少女"スミレ"に一目惚れしたことから始まる恋愛要素ありのハイファンタジー。この物語が読者に与えてくれる最も大きいもの……それは"癒し"です。細かく美しい情景描写に、優しさが目立つメインキャラ達……彼等の他人想いな言動・関わりは見ている人の心に安らぎを与えます。何か嫌な事があった時に読むと、心がふっと軽くなる……そんな感じの素敵なお話です。
派手な展開で引っ張るタイプの作品ではありませんが、その分、主人公の心の動きが丁寧に描かれています。特に印象に残ったのは、序盤で主人公が城下町でジャージを手放す場面です。異世界に来てしまったという事実を受け入れ、「ここで生きていく」覚悟を決めた瞬間が、さりげない行動として描かれていて、自然と主人公を応援したくなりました。