高校三年生の時に異世界に来てしまった少年、蓮。異世界で妖精スミレに出会います。派手な展開はないですが、少年の感情を緻密に繊細に作者は描いています。文章なのにそこにはパステルカラーのような綺麗な絵画のような印象を受けます。とても楽しみなファンタジー物語です。
派手な展開で引っ張るタイプの作品ではありませんが、その分、主人公の心の動きが丁寧に描かれています。特に印象に残ったのは、序盤で主人公が城下町でジャージを手放す場面です。異世界に来てしまったという事実を受け入れ、「ここで生きていく」覚悟を決めた瞬間が、さりげない行動として描かれていて、自然と主人公を応援したくなりました。