イヌ娘と彼女を救う少女の絆が、冷酷な時代に翻弄される温もりの物語

作者が陰鬱な背景の中に温かい物語を紡ごうとする努力が伝わってきます。「場面14」まで読み、感じたことを率直に共有させていただきますが、これらは悪意ではなく、作品への期待も込めた感想です。

・最初の主人の変化:酗酒だけで性格が一転するのは、もう少し動機や経緯があるとより納得できるかもしれません。
・情景描写の不足:会話シーンが多く、どこでどのように話が進んでいるか、想像が難しい部分がありました(例:ラッケ村の様子、不凍港の繁忙感など)。
・人物の行動の説得力:敵国血統への差別がある中、イヌ娘に対する周りの柔和な対応や、主人公の受動性、爺爺の行動の機転など、もう少し背景や心理描写があると深みが増すかもしれません。
・細部の整合性:運搬に背包ではなく板車を使う方が合理的な場面もあるように思われました。

全体として、キャラクターの成長や人々の優しさの根源について描き込まれると、さらに読者の共感を誘う作品になるのではないでしょうか。今後の展開に期待しています。