異世界召喚勇者の物語……ではない!

ちょろちょろ

プロローグ

瞼を開くとそこは知らない天井だった


ここは……どこだ?さっきまで教室にいたのに……そうだ!確か急に床に魔法陣のようなものが現れて光を放ったんだ。もしかして、俺たちは異世界に召喚されたのか?


そう思い、他に誰かいないか確認するため仰向けになっていた俺は上半身を起こした。すると、周りにいたクラスメイト達がいるのが目に入りその中の一人と目が合った


「あ!みんな、優斗が目を覚ましたよ!」


「おお!」「遅いぞ」「やっとか……」……


みんなが思い思いに言葉を口にしている中、二人の男女、俺の親友兼幼馴染である尾口隼人と先程目が合った隼人の恋人兼俺と隼人の幼馴染である羽山桜が駆け寄って来た

そして、隼人は俺に手を差し伸べてきたため俺はその手を取り立ち上がった


「ありがとう、隼人」


「お礼なんてよしてよ、君と僕との仲じゃないか」


「優斗が目を覚ますのが遅いから、私達心配したのよ!」


隼人は微笑みながら言い、桜は言った後に少し頬を膨らませた


「心配かけてごめん、それと話は変わるけれども此処は異世界ということですいいのかな?」


99%異世界だとは思うが残りの何かの1%かもしれないという可能性が否定できないため、先にこのことについ聞いておきたかった


「ああ、あちらの方々が言うにはそうらしい」


そう言いながら隼人が顔を向けた先には、体育館に例えるならばステージに当たる場所に立つ数人の人々がいた


「あ、そうだった。聖女様ー!最後の一人も目を覚ましました!」


「本当ですか⁉︎良かった、本当に良かった」


「ほら、優斗行くよ!隼人も!」


そう言いうと桜は俺の手首を強く、骨が折れるかもと思うぐらい強く掴みそのまま聖女のいる場所へ走った


「え、ちょっと待って、そんなに強く掴まなくても!」


ちなみに、隼人は苦笑いでついて来ていた




その後、俺はこの世界の事についての簡単な説明と鑑定を行なった。俺の職業は魔剣士というものだった。鑑定士の人に聞いてみるとこの職業は少し珍しいようだ。ちなみに隼人は勇者で桜は賢者と本人達が言っていた

そして今、俺も含めたクラスメイトは聖女様に集められていた


「皆様、お集まり頂きありがとうございます。只今より皆様を召喚させていただいた理由をお話し致します。その前に、何か質問がある方は挙手をお願い致します」


聖女がそう言い終わると隼人が手を上げた


「僕からは元の世界に帰れるかについてお答えしていただきたいのですが……」


「ええ、今からいう目的を達成して頂けると帰ることはできますよ。他に質問がある方はおられますか?」


「……」「……」「……」「……」「……」


「他にはおられないようですね。では、皆様を召喚させて頂いた理由は……私達人類の存続の危機となる魔王の討伐を引き受けてもらうためです!」


そして俺たちの異世界での冒険が始まった


そう!この物語は異世界に召喚された彼らの笑いと悲しみに囲まれた物語だ!







ではなく、普通に魔王側の物語だ








「みんな、定例会議は終わり!持ち場に戻ってね!」


俺の名はルシファー、魔王軍統括兼参謀兼入隊面接官だ。そんな俺は今、放心状態にある。それは、先ほどの会議にて他の幹部の仕事量を1にした時、俺の仕事量が10になったからだ


「あれ?ルシファー?どしたん、話し聞こか?」


そんなことを言いながら駄乳を頭に乗せてきたのは俺の幼馴染兼魔王であるサタンだ。

魔王“様”だって?こんな頭がおかしい奴に誰が“様”なんかつけるか


「ねえ、今とても失礼なこと考えたでしょ」


「はん、それがどうした?」


「へえー、そんな事言っちゃうんだあ」


やっべ、めちゃくちゃ嫌な感じする


「職権濫用、しちゃおっかなあー」


「すいません、すいません、すいません、なんでもするので許してください」


俺はすぐさま土下座に移行した


いや、マジで魔王軍から追放でもされたらどこに行っても侮蔑の目を浴びる事になるからな。それは本当に耐えきれん


「なんでもする?今、なんでもするって言ったよね?じゃあ、ボクを、は・ら・ま・せ・て」


「無理です!」


チッ


「手前!今舌打ちしただろ!」


「えー、してないよー」


「というかなぜお前を孕ませないt!サタン、今のは」


「ああ、そうだね。この感じは」


『異世界召喚』


そう判断すると同時に俺は魔王軍隠密部隊の部隊長であるマモンへと念話テレパシーを繋げた


《マモン!異世界召喚を行なった国をお前の部隊で捜索してくれ!》


《了解!任せとき》


「サタン、今マモンに異世界召喚を行なった国の捜索を指示しておいた」


「サンキュー、ルシファー。それにしても何百年ぶりかな?異世界召喚が行われたのは」


「さあな、だが、今回は楽しめる事を期待しとこうぜ」


「そうだね、でも待ちきれないよ。ゾクゾクしてしまう。ねえ、ルシファー、今からヤり合おうよ」


そう言うやいなやトロンとした目で俺を見つめてきた


「お、おい、嘘だよな?やめろよ、絶対やめろよ?」


「む♡・り♡」


そう言いながら俺はサタンに手を掴まれ転移テレポートを使われた


その日、魔王の寝室近くにてグチュグチュッ、という音が聞こえてきたとか


あとがき

キャラ設定は要りますか?

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