第45話 魔法少女マジカル⭐︎まほか
この世界はゲームだ。
ゲームな訳だから、「ジョブ」やら「ステータス」というものがある。
残念ながら俺にチート能力とかは特にないので、「俺だけステータスが確認できて領地に凄い人材が集まってきちゃいました!」なんてことは普通に不可能だ。
俺の領地が豊かなのは、純粋に俺の支配者としての能力と、下の連中の頑張りと、金の力だ。有能そうな奴全部スカウトして養う金があるなら、能力鑑定なんていらねーんだよバーカ!
そういう訳なのだが、「ジョブ」。
こっちは、かなり大切だ。
このジョブによって、できることが全然違うから。
俺がちょいちょい、「魔導師隊は金かかるが強い」とかそういうことを言っているように、このジョブで戦争時の「兵科」が決まる。
大抵は「戦士」の「歩兵隊」だが、「騎士」ならば「騎兵隊」を作れて、「盗賊」なら「偵察隊」を作れる……。
あー、まず、そもそも本編が、戦争という大規模バトルシーンと、六人パーティを組んだ主人公みたいなネームドキャラ達が少数行動するシーンが別であってな……。
領地を取るような大きな戦いでは戦争だが、ダンジョンや決戦時ではパーティで行動するのよね。
例えばボスとの戦争は、戦争パートで周りの敵を倒したら、ボスの待ち構える居城にパーティ単位で攻め入って戦う!って感じだった。
でも基本フォーマットはストラテジーなんだよな。
戦争モードでは1ユニット単位が「部隊」となっていて、パーティ戦モードだと1ユニットが1人のネームドキャラになっている感じだ。
で、部隊と個人とでは、できるコマンドに違いがあるし、戦力計算のシステムとかが異なる感じか。例えば、部隊の人数は戦力にプラス補正をかけるが、移動力にマイナス補正をかける、みたいな。
そんで話をジョブの方に戻すが、ジョブによって兵科が決まるじゃん?そしてヤバいのは、部隊のリーダーであるネームドキャラの兵科で、部隊そのものの兵科も決まるんだよね……。
いや、指揮官が魔法使いでも、その部下も全員魔法使いになる訳なくない?と思うが、その辺はゲームなので……。
で、で、で!
ここからが重要な話だ。
「その辺はゲームなので」……と言ったが!
この世界は現実なのである!!!
……つまり、指揮官一人だけを強いジョブにしても、部隊全体がその兵科に変更される!みたいな、ゲーム的処理はされなくなったのだ!
だからこそ、魔法使いの部隊は、結成するのに大金がかかる!って訳だな。
……うん。
皆さんはこうお思いのはずだ。
「じゃあ、ジョブチェンジしろよ」と!
うんうん、俺もそう思うわ。
教会に行けば金を払ってジョブチェンジできるからね!ジョブチェンジすればいいよね!
……その、ジョブチェンジをやる時に必要なのが「要求ステータス」なんですが。
はい……、そう言うことです。
まあ、ステータスが見れなくても、大体はね?大体は分かるんだよ。
魔法使い!ある程度の知力と魔力!知力は勉強すれば伸びるし、魔力も訓練で多少は伸ばせるから、貴族などの訓練できる環境がある家庭なら可能!だからこそ貴重!
狩人!ある程度の器用さと知覚力!子供の頃から弓の練習をしておけば大体なれる!
神官!そこそこの精神力があればなれるから、教会の子供達は神に祈って精神力を高めて精神力ステータスを伸ばして、神官となる!
そりゃ、明確な数値は見えないよ?でもさ、ステータスって、数値が見れなくてもなんとなく分からないか?
別に知力なんてペーパーテストをやりゃあ良いじゃん?君のその手にある「模試」と書かれた用紙の点数欄が君の知力だよ?と、現代日本じゃそう言われてる訳で。
身体能力?スポーツテストとか、学生時代にやらなかった?
精神力は測れないだろ!とかも、教会の神官は面談を通して相手のメンタルを測ったりできる訳でさ。
明らかに筋肉モリモリマッチョマンの変態の武力が5とか、逆に、箸も持たない貧弱ガリガリ女の武力が100とか、そんな訳なくない……?見れば分かるよ、大抵は。
例えばさあ、野球知らなくても、通訳に裏切られた某天才野球選手の試合を見て、「おっ、この人凄い上手いなー!」って分かるだろ?或いは、往年のプロボクサー、蝶のように舞い蜂のように刺す人の試合を見て、「うおお、凄く強いな!」って分かるだろ?
本当に才能がある奴は、素人目で見ても凄いんだよね。
つまり、明確な数値は分からんでも、人間のステータス……「性能」なんてもんは分かるよーってこと。
それを幼い頃から鍛えて、成人したら教会でジョブを付与される。そういうもんなの、この世界は。
さて……、話が長くなったな。
それじゃあ、最後に。
「魔法少女」について、お前に教える。
まあほら、話が長くなったから、簡潔に。
魔法少女は、「隠しジョブ」だ。
ジョブを得ていない状態から、高い魔力と運ステータスを持つ者のみがなれる、「特殊ジョブ」というものである……。
「マホカ、みんなの調子はどうだ?魔力の訓練は頑張っているか?」
「うんっ!ダークエルフの人達が持ってきてくれる『おやつ』を食べながら、頑張って訓練してるよ!今はねぇ、五百十一人が魔法少女になったんだ〜!」
「おお!もうそんなに!」
「修行中の子達も、すぐに魔法少女になるからねっ!」
マホカ。
マホカ・グロウワンド。
俺が姓を与えて、家臣として取り立てた少女だ。
ツインテールの魔法少女で、極めて膨大な魔力を持つ。
たまーに、特別な生まれじゃなくとも、大きな才能を持った人が居たりするだろ?つまりそれである。
才能をこの世界ではステータスと言うのだ。
「で?『落ちた』のはどのくらいだ?」
「結構多いかな?千人は超えてると思う。ジャーク様の期待に応えられないなんて、同じ仲間とは思えないよ!」
「ははっ、まあそう言うな。才能がない奴らだって、使い道はいくらでもある」
「でも……、ダークエルフの人達の『おやつ』まで食べたのに芽が出ないなんて、本当に無能じゃないかな?」
「そりゃあ、お前は特別に才能があるからなあ?できない奴もこの世にはたーくさん居るんだぞー?」
「特別……!特別、特別!くひひっ、そう、そうだよね!私は特別なんだよねっ?!」
「ああ、そうとも。マホカは特別だ。俺の大切な人だよ」
「ーーーッ!!!嬉しいっ、ジャーク様!私、ずっと、ずっと、ジャーク様を守るからねっ!!!」
実際……、マホカはマジで特別だ。
魔法版のデストラン将軍といったところで、代えの利かない人材だった。
魔力ステータスがとんでもないのだ。
才能なんて、努力次第で〜!みたいなのは、いかにも才能がない奴の語り口。
本物の才能ある人間は、一目見て「違う」とわかるものだ。
例えば、野球選手やサッカー選手、eスポーツでもなんでもだが……、選手を目指したがなれなかった人間は山ほどいるだろう。
なんでなれなかった?努力が足りなかった?いや、そんな訳はない。
才能のない人間も、才能のある人間も、同じ時間努力したはずだ。毎日休まず十時間以上、練習に練習を重ねてきたはずだ。
それでも、選手になれる奴となれない奴がいる。
何故か?
「才能」の差だ。
才能がない奴、凡才は、努力して練習してやっと「並」。
だが、才能のある奴は最初から上手いし、成長速度だって速い。凡才が「並」になる頃には、天才は「プロ」になっている。
そして、「老い」というタイムリミットが存在する以上、無限に努力することはできない……。
その点、マホカ。
こいつは凄まじい。
こうして、肌に触れているだけで感じる、膨大な渦巻く魔力!
俺の魔力が一斗缶だとしたら、こいつの魔力はオイルタンカーくらいはあるんじゃないか?という、圧倒的な差!
ただ魔力を放出するだけで、魔力弾となって家屋を爆散させられるほどの魔力を持つマホカは、突然変異的な存在としか言いようがなかった。
この天才を中心とした魔法少女部隊……!胸が熱くなるな!
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