第35話 そもそもバカは話を聞いてない
本日二回目です。
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さて、ワルバッド辺境伯領最東端の街、カストラに到着した。
カストラは、東部の草原に接する地にあり、東部からの唯一の大街道である「銀糸の道」というものの通るところだ。
この「銀糸の道」ってのは、言ってしまえばシルクロードのようなもの。
東方からシルク……と、そのシルクの上位バージョンみたいな謎の布があってぇ……、それが届く感じの陸路な訳よ。
『大華国』っていう中華風の国が遥か東にあり、そこで作られている『白銀絹』とかいう布があって……、これはまあ、銀色に輝く絹の魔法素材で、ゲームでは後半に『白銀のドレス』みたいな感じで出てきたアイテムだ。
こう……、装備の説明欄に、「東方の白銀の糸で紡がれた特別なドレス。魔力を向上させる」みたいなことが書かれている感じのアレだな。
その通りで、なんかこう、装備すると、ゲーム後半らしい高めの防御力の他、装備者の魔力に補正をかけるから、魔法使い女性ユニットはラストまでこれ!ってのもあり得た感じのいい装備よ。
まあ、現実となった今では、王侯貴族の着る高級服の材料って意識の方が強いんだが。
とにかく、そんな超スゴイ超高価な布の、陸路での唯一の流通ルートとなっているのが、この街、カストラなのである。
で、このカストラ。
見た目は普通に、城塞都市。
東の流通ルートではあるのだが、その分金が集まるから、馬賊とかに攻められることが多い。
なので、バチっと武装キメた、要塞みたいになっている訳だな。
だからこう、街の雰囲気はちょっとお堅めだ。
そうそう、それと、東方からやってきた黒髪のアジア人的な奴らが多いな。
ナンバリングタイトルの1ではあまり東方出身のキャラクターは出ないんだが、3では東方が舞台になるんだよな。因みに、2では舞台はこの大陸のままだが、百年以上先の話になっている。なので基本的に、原作主人公については、1のことだけ考えておけばとりあえずは良いだろう。
……街の特徴はそんな感じか。
とにかく俺は、モーコギンを送り返し、モコターンの迎え入れの準備を始めた。
魔導列車での移動中、モーコギンちゃんからモコターンについての文化や情報をじっくり聞き出していたからな。
歓待の方法は心得ている。
さあ、待ってろよ、モコターン!
……お?来たな。
「ふへぇ……、だ、旦那ぁ、困りますわぁ!いきなりこんなところまで呼び出してぇ!」
えー、こちらのデブ狸女。
うちの御用商人、ブンブク商会の長です。
え?御用商人とか居たんですか?とお思いかもしれないが、先代からの付き合いでな。
ブンブク商会も先代が概ね無能なカスだったので、この女を商会の後継者争いの場でプッシュしてやったり、敵対者を俺の手下に始末させたりとかして協力してやったので、基本的にこの女は俺に頭が上がらないのだ。
名前は、ポッコ・ブンブク。舐めた名前だなあ。
俺は、ポッコのベルトの上に乗った腹肉を高速で揉む。タプタプタプタプ!
「ほ、あ、あ、あ!旦那、ちょっと、旦那!あきまへん、あきまへんわ!」
「るせぇっ!呼んだら即来いや!」
「ひえええ〜!!!」
うーん、愛嬌のある関西弁の豊満デブ女、かわいいなあ……!
今夜の相手は君に決めた!
なーに、その下っ腹だ。ガキが中に居ようが居まいが、見た目は変わらねえだろ。獣人らしい畜生腹で何匹もガキ孕めや!
……そんなほのぼのとしたことを考えながら、俺は汗だくのポッコから話を聞く。
「と、とりあえず、ウチでアホほどだぶついてる芋と豚肉は、列車のコンテナ五つ分は用意しましたわ。それと、芋酒もコンテナ五つ分。ご要望の鶏、牛、鹿、猪の肉もコンテナ十個!二時間後には手配した他の細々としたもんが届きまっせ。後、『アレ』も……」
「この街の冷蔵倉庫の手配は?」
「そらもう、バッチリでんがな!電報を送って、即コンテナ二十個分抑えましたわ!交渉した感覚やと、また更に空けられますさかい、いつでも言うてください!」
「OKだ、今日はご褒美に抱き潰してやる」
「はっ、はいな、旦那ぁ♡」
ムチムチエロ肉狸のデカケツを揉みながら、俺は思案する。
モコターン共の歓待についてだ。
モコターンは蛮族であるが、蛮族の流儀での歓迎をしてやる必要がある。
歓迎の意を示す!とか、財力を示す!とかってのは、相手のやり方に合わせなきゃダメだ。
例えば、昔の時代では、コールガールだのを呼びまくって、バカみたいに金かけたシャンパンタワーを……みたいなこともあった。だがそんなもの、現代でやればドン引き案件。「下品」だろ?
今時、接待だからとキャバクラに連れて行かれて嬉しいか?いや俺は割とマジで嬉しいけど、世の中の多くの人は違う。もうそんな時代じゃないよな?
もっと近い話をすれば、「興味ない話題を振ってくる奴」って感じか。
接待じゃなくても、興味のない話を目の前でずっとしてくるカスがいたらムカつくだろ?そういうことなんだよ、全ては。
それと一緒で、押し付けじゃダメなんだ。相手に分かりやすく凄さを伝えなきゃならない。相手が理解できる「凄さ」を。
その点でいくと、馬賊はやはり、「歓迎の際に使った命の数」だ。
馬賊の財産というと、羊や山羊。
これを、客人を歓迎する時にどれだけ屠殺して、提供できるか?というのが奴らの価値観だ。
例えば、嫡男の婚礼の儀式の時には、まるまる太らせた立派な家畜を丸焼きにして提供する。
部族同士での同盟ともなれば、百頭の家畜を屠殺して盛大なパーティーを開くのだとか。
そんな感じの価値観の奴らに、おハイソでお上品な「ティータイム」だの「侘び寂び」だのは通用せん。
実際、俺も魔導列車で、新鮮な野菜のサラダを売りにしようとしたが、平民共は野菜を食いたがらないので普通に失敗し、投げやりにお出しした化学調味料ドバドバのハンバーガーとかがバカ流行りしたもんな。貧乏人はクソ!!!!
とにかく、バカを歓迎するのだから、バカ丸出しの数と、バカでも分かる獲物のデカさを見せつける!
「旦那ぁ!例の『アレ』が届きましたでぇ!」
「ヨシ!丁重に保管しろ!倉庫には、バラさずにそのまま入れろよ!」
「はいな!」
さあ、やってやろうじゃねえか!
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