第28話 世の中に不満があるなら自分を変えろで世界側を変えようとするマン
さて、原作サブヒロインは放流し、この世界の「設定」の強度を見極める「秤」とした。
……カッコいい言い方は通じないか?
はっきり言うと、あのシルヴィアちゃんには、「基準」になってもらうことにしたんだよ。
この世界は、ゲームの世界。
だが、紛れもなく、リアルの世界。
女の子一人が野に放たれて、まともに生きていけるはずがない。
「誰にも愛されない呪い」は、売春すらできなくなるだろうから、男と同じくらい生きるのは辛いはず。
いやマジで、言い方は悪いが、女なんて男を捕まえればなんとでもなるからね。顔の良い女は生まれた時点で人生大勝利が確定してるからさあ……。
というかブスでも何とかなります。変に高望みして整形サイボーグになるから良くないのであって、その辺のちょっといい感じの小金持ちとくっ付けば普通に一生安泰だぞ?整形サイボーグになったら水商売やりまくってみいちゃんと化して死ぬか、公安九課に入るかしかないからね。まあ、顔の良さと頭の良さを両立させるのは難しいのかもな。天は二物を与えないらしいし。
それ抜きで、あの年頃のガキが、誰からも愛されずに自分の力だけで十年間生きたら……、どうなると思う?
そりゃもう、性格歪むよな?
そう、それが当然だ。
少なくとも、俺はそうだった。
でももし、歪まなかったら?
十年後も、生っちょろい「正義の味方」のまんまだったら?
……それは、さあ。
なんらかの、作為的なものがあるよな。
原作の流れを強制しようとする、「見えざる意志」みたいなものがあると、認めざるを得ないよな?
そうしたら色々と計画変更する。手を打てる。
だから、放流した訳だよ。
殺した方が確かに安牌ではあるんだが、殺す奴の可能性は広がらず、世界が閉じていくってのはそれ一番言われてるからな。俺の尊敬する悪党がそう言っててぇ……。
結局俺は、最大効率で世の中や人様を食い物にして、面白おかしく生きたいだけの善良な一般支配者なんだよ。殺戮王とかは特に目指していない。
えー、で。
現状の確認から。
まず、我らのワルバッド辺境伯領。
スターライト子爵家から奪った土地と合わせて、支配領域はかなり広い。
そもそものワルバッド辺境伯領は、名目の支配地だけなら国内最大級なんだよな。
実際は、オークの住む森とか、ワーウルフやサイクロプスが住む山みたいな、「名目上は領地だが実際は使えない土地」が多過ぎるっピ!ってだけで。
原作でも、最初は、悪のワルバッド辺境伯を倒して辺境伯領を反乱軍最初の拠点とするが……、ワルバッド辺境伯がカス過ぎて、実効支配できていたのは領都エイビルベルグ周辺のみ!って有様だった。
で、主人公はそのエイビルベルグ周りの土地の蛮族……、オークやダークエルフを倒して、素材集めやレベル上げができて。
蛮族の部族長を倒すとその地を奪還できて、自分の領地として活用できる、と。
そんな感じのゲームシステムだった。
……が、俺は、原作とは違う。
蛮族の皆さんの市民権を認め、移住を望む部族は街に住ませて、その地での暮らしを望む部族は、「俺の土地に住むことを認める」「代わりに仕えてもらう」と名目上の臣下になってもらい、現状維持を認めた。
街に蛮族が入り込んでくるので当然に大混乱となったが、ダークエルフの呪術師達に作らせた『呪印』により、逆らう奴は立って歩くこともできなくなるという「避けられぬオモシロ新刑罰」があるのだと周知し……。
実際に呪印を刻まれた、例えば暴れん坊のオークは暴力を振るおうとする度に吐血して倒れ、盗み癖のあるゴブリンは盗もうと思っただけで口から泡を吐いて地に伏せて。そういう確かな「効果」を見た市民達からは、一定の安心と支持を得た。
治安の問題は、この通り、かなりの大問題だ。
だが、俺からすると、そんな治安とかどうでも良くなるくらいに……、儲かっている。
アレだよね、移民のせいで治安が悪化しても、移民を推奨した金持ち達は儲かっているから知らんぷり!みたいな。
まあ俺は呪印を刻んで罰を与えているので、「人権に配慮しててぇ〜……」みたいなことを言って外国人を処罰しない弱腰政府!のような批判は受けないな。俺は外国人にも自国民にも平等に厳しいのだ。ハートマン軍曹式ってことだな、全て平等に価値がない!
まず、オーク族からは戦力提供と「鉄」を貰っている。
オーク族は、最低でも人間の雑兵の三倍くらい強い。燃費も悪いけど。
某ライトノベルで、人間からオークに転生した人がオークの指導者になって〜みたいなのがあったと思うが、オークは我々人間と持っている常識が違って、後は知能は同等か僅かに劣る程度で、身体能力的には完全上位互換なのだ。
オークなんて蛮族装備で丸太持って突撃させるだけで強い。
が、重装歩兵にしたら、マジで信じられないくらいに強い。
人間の装備できる三倍の重さの鎧を着た重装歩兵……、怖い、怖くない?
後、鉄な!
オークは、オーク族秘伝の製法で、魔法金属である「オークメタル」と言うのを作ってくれる。
鋼のワンランク上の、ゲームでは中盤レベルの装備なのだが、ただの鉄よりはよっぽど強い。
ゴブリンやコボルト。
こいつらは雑魚なので戦力的には期待できないが、手先が器用なので仕事はできる。
特に、細工物や針子なんかに適性があるようだ。
後バカなのが良い。余計なことを考えず、指示されたことだけをやる。
製糸場、粉挽場、印刷工場、廃棄物処理など、様々な場面で便利使いできる低級作業員は、いつの時代も居れば居るだけ助かるねえ。
知能みいちゃんでも、使い道はいくらでもあるんだわ。ってか、売春でもなんでも、自分で稼いで経済活動に参加している時点で、俺の中では高等な生き物扱いだよ。
言葉を理解して、金を払えば品物やサービスが得られると分かっている時点でかなりまともやぞ。
みいちゃんはバカだけど立派に働いて金を使っているから、福祉に寄生する奴らよりはマシなんだよね。
ワーウルフ。
戦闘能力はとても高く、夜目も利き、森の中でも素早く動ける。
兵士としてはもちろん、強襲偵察などにおける我が軍の要となってくれるだろう。
特に、鼻が利くので、犯罪捜査などで使っている。いずれは警察組織とか作りたいもんだな。
ラミア。
こちらも、ダークエルフと同じく呪術の専門家だ。
特に精神操作の呪術の知見が多く、彼女達の知識を元に作った『発情の呪印』で、今のワルバッド辺境伯領では、家畜が信じられない勢いで増えている。ってか、それって淫紋っすよね……?
どうやら、ラミアは雌しかいないから、攫った男にこの淫紋を刻んで射精奴隷にして、死ぬまで絞り尽くす……みたいなことをやっていたらしい。今は、発情期のワーウルフやコボルト、性欲を持て余した屈強なオークなどが相手してくれるから、誘拐事件を起こさなくて済む!と俺に感謝していたぞ。
サイクロプスは、冶金、細工、工業のプロフェッショナルだ。
ドクの指揮の元、最近は試作機関車を作って走らせている。気のいい面白い奴らだよ。
ハーピィには手紙や小包の配達をやらせて、ケンタウロスは騎兵や労働者として雇用。
要は結局、使い方なんだよな。
人間はなんでもできて、しっかり教えれば言うことをちゃんと聞くバランス型の存在だが、亜人共は上手く使えばその分野では人間を圧倒する。
分業前提の社会を作るなら、亜人を使うのはかなりアリな選択肢だ。
さあ、原作!
いつでもかかってこい!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます