第10話 これ?産業革命ユッテナ……。

さて、ちょっと真面目な話をするか。


今後の話だ。


まず俺。


相当下手こかないと、死なない。


本編でのジャーク・ワルバッドは、例えるならば、ノベルゲームで全部間違いの選択肢を選んでバッドエンドルートにわざと入った!みたいな感じだ。


この「わざと死にに行ってんのか?」という感じは、対魔忍でしか見たことない流れだな。


流石に俺、Y豚ちゃんよりかはINT高いつもりだから……。


つまり、1980円くらいのエロアクションゲームみたいに、エロCG回収の為にわざと敵に突っ込んでいく!みたいな自殺行為をしない限り、俺は死なないと思われる。


この選択肢ってのも別に、ワンミスでセイバーに裏切られて殺されタイガー道場送りにされるレベルの理不尽さじゃないからな。


別にもうホント、極普通に、ノーミン共を殺し過ぎずに管理して、部下を冷遇せずに飯食わせてやり、兵隊を巡回させて盗賊狩りさせときゃそれでOK。そんなんもう当たり前のことを当たり前にやってるだけでしょ?


人生なんて、当たり前のことを当たり前にやってても何故か「突然の死!」とかってなるもんなのに、この世界だと当たり前のことをやっているだけでみんな俺のことを好きになってくれるからチョロいね。


そういう訳なので、自殺しないと死なないんだよね。むしろここまで恵まれたスタートから死ぬには自殺しかないんよ。


で、だからぁ、目標!


目標をね、定めていきたいんだよ。


普通こういう感じの話だと、「死なないようにする」とか、「立場を捨てて冒険者になってぇ」とか、そういう感じの後ろ向きな、「捨てていく」話になると思われる。


だが俺は違う。


「得ていく」のだ。


「死なない」、なんてえのは当たり前のこと。


むしろ、人生において、「死にたくないから生きているだけだ」みたいな、そんな死人のように生きてるクズどもは人間じゃないんだよね。マネキンとかでしょそんなもんは。


俺はマネキンみたいなモブの方々と違って、人生を楽しみ、意味を見出して生きてきた。だから、このNEW人生でも同じように、生きる意味を見つけたいんだよ。


その大筋は、良い女を抱いて、美味い飯と酒を楽しんで、デカい城に住んで、金を山ほど手に入れて……と、そんな感じだと思う。


だが、そりゃあ、こう……、「夢」って感じだ。目標ではない。


なので直近の目標を定めるのだ。


とりあえず、ここ半年の話。


ノーミン共の統制をバチっと決めた!


ジャガイモを増やして、村人に育てさせている!


酒造、蒸留酒作りを始めた!


ドクター・サイエンが蒸気機関とポンプを実用化した!


ダークエルフをスカウトして、ドルイド的魔法を使わせて試験農場で働かせたり、呪術師に呪術を習ったりした!


となると……、そうだな。


この世界、まだまだ不便だ。


汚いし、面白いことも少ない。


だからせめて、近世、いや、欲を言えば近代くらいには文明を進めたい!


その為には、ドクター・サイエンの協力が必要だな。でも、ドクターも無から何かを作り出すことはできない。


金が必要だ。金だけじゃない、資材や燃料が必要だ。鉄や磁石、銅、ニッケルだのから、今後は魔石とかミスリルとかも欲しくなるはずだ。


その為には、「金稼ぎ」と「辺境の開拓」、その両方が必要不可欠だ!!!


またこれを分割していくと……、金稼ぎは、酒を売るだけじゃとても足りない!


他にも新製品を売り出して、そもそもの農作物の生産量も増やす必要がある!まあその辺はダークエルフのドルイド共に一任するが。


そして、酒だって新製品だって、売るにはマーケティングが必要だ!広告、流通、どうするんだ?


そもそも市場規模がカス過ぎる。田舎ではまだまだ物々交換が主流とか、情けなくて涙が出ちゃうね。


とにかく、市場そのものを高くするために、購買力を高めるために、生産力から高めていく必要がある。


辺境の開拓だってまだまだだな。


この前にダークエルフの勧誘をしに沼地に行った時に思ったことだが、この領地は未開拓部分が多過ぎる!


こんなにたくさんの土地があるのに、何故利用しないんだ?って話になるだろこんなん。


そりゃあ、ゲームのサブ要素として、「領地開拓」というコンテンツがあったのも納得だ。


内容?ほらアレだ、ワルバッド領の手を加えられていない部分から、モンスターや邪悪なダークエルフやオークを追い出して、開拓し、施設を設置する……みたいなのがね。ダンジョン攻略モードみたいな?


だからその為に、ゲーム上の都合として、ジャーク・ワルバッドは自分の領地を全く手をつけていなかったのだ。


俺は違う。


本編開始まで、あと十年くらいだろうか?正確な日時は分からないが、今の王様が病死してからストーリーが動き出すはず。


今んところそんな話は全く聞かないし、王子達の跡目争いの話もまだ出ていない。だから、本編開始はまだまだ遠いはずだ。


なので、それまでにガンガン開拓しちゃうぜ!


だって俺、主人公とやらにこの地を明け渡すつもり、マジで全くないもん。


なんでストーリーを守らないのかって?逆にどうして、自分が負けて死ぬストーリーをなぞらなきゃならないんだよ。


「正しい」から?主人公が勝つのが「正史」だから?


そんなん知らんよ。ここは俺のものだ、俺の富だ。誰かに明け渡したりなんてしない。


「原作知識」が役に立たなくなるから?


知らないね。そんなものに囚われて生きるつもりはない。俺の道は俺が決める。


そもそも、ゲームの世界に転生したからと言って、ゲームのような一本道の「ルート」があるとは、俺は到底思えない。


それを言えば、ゲームには「ゲームオーバー」という結末もあるのだから、この世界では原作主人公が負けて死ぬかもしれないじゃん。


原作を絶対視はできないよね。


……とにかく、だ。


俺は少し……、考えて、目標を出した!


「ドクター・サイエン!」


「どうしたのかね?ぼ、僕の仕事に問題でも……?」


「いや、完璧だ。抱きしめてキスしてやりたいくらいにな」


「それは良かった……、正直怖かったよ。認められるか不安でね」


「ドクター……、そう自分を卑下するな。お前は天才だ!蒸気機関とポンプは、領内に灌漑農法を生み出し、莫大な利益を上げている!蒸気機関を使った金属精錬やポンプを使った井戸は、経済効果で言えば百万シルバーなんてはるかに超えている!期待には十分に応えてくれたぞ、お前は」


「ああ……、そうか。嬉しい、嬉しいよ、ジャーク君。君だけは、僕を認めてくれるんだね」


「あったり前だろぉ?ドクター、愛してるぜ!これからも、俺の為に働いてくれよ?」


「もちろんだとも!」


「それで……、汽車を作りたい。一年でどうにかしろ」


「ふむ……、技術的には可能だろうが、私も流石に汽車を作った経験はない。手探りになると思うし、資材の関係もある。一年では間に合わないかもしれないな」


「路線を増やし、整備士を作ったりするのは後の話だ。プロトタイプを一年で作れ、量産品の完成はもうちょっと後でいい」


「わかった、やってみよう」


「それと、並行して別プロジェクトも出すからな。お前は基本的に指示出しでいい、従わない奴はこっちで『処理』するから、主任としてデカい顔して良いぞ!」


「それなら、まあ……」


「なあに、頑張ってもらうのは最初だけだ。領地が安定したら、お前は好きな実験をやって、好きに暮らしてて良いからな!」


「本当かい?」


「ああ、優れた学者のパトロンになってやるよ!」


「それは……、良いな!この世界には、研究したいことが多いんだ!魔法やマジックアイテムとか……」


「全部好きにさせてやるぞ!だから今は働けよ?な?」


「ああ、頑張るよ!」


さて……、ドクターはこんなもんだな。


基本的に、汽車とかの流通の整備は、最初にやった方がアドだろう。


これからどんどん稼いで、ヒトモノカネの流通は活発化する。


その時になって必死こいて作ったり整備したりしても遅いからな。


さあさあ、工業化の萌芽を感じながらも、まずは緑の革命からだ!


ダークエルフ共の様子を見に行こう……。

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