主人公・リオティスは、web小説お約束の〝生まれ持っての超能力〟がない。チートスキルもなければ、ある種追放よりも冷遇された扱いを受けている。けれど想う人たちのためにその場所に居続ける、そんなところからお話が始まります――。
導入部は重苦しく、引きずるような苦味こそありますが、だんだんと話が進むにつれてその苦味が昇華されていきます。辛い出来事を忘れるとか、決別するとか、そういった過去の処理の仕方はしていないので、その過程を見ていると非常に胸に迫るものがある。
そしてどのキャラも立っています。個性的というよりも(個性的ではありますが!)、みんな何かしらのバックストーリーがあり、人生があり、想いがあり、記憶がある。そしてその上にいわゆる「個々の戦闘能力」が乗ってくる。各々の人生に思いを馳せてから戦闘描写を読むと、一段と深みが増します。ここから展開されるアクションも、とにかく熱い――この一言に尽きる。
あとは極個人的な感想ですが……ヒロイン・リラとの幸福な時間をもっと見ていたい、見ていたかったです。リラかわいいよリラ。優しくて愛に溢れていて強く気高いリラが本当に良いので読んだほうがいいです。リラ……!
初めて作品レビューを書くので、本作品の魅力を伝えきれている気がしませんが。みなさんも是非リラの生き様に心を焼かれながら……ではなく。主人公のリオティスの心に光が差していくこの物語をぜひ追ってみてください。がんばれ、リオティス!