第40話


第40話

「ねえ、きよし先生さー さっきの登場人物の外観とかも、一切謎なんですけど?

私はノベルより同人マンガを漁る方が好きだけど もうちょっとさ」とレンジャー

「そう思うやんか? ほんで自身は風流とか理解してるつもりやねん、単細胞よな

繊細な気配りが欠けとるからこうなる もっと勉強せなあかんのやで」なクレーム


くっ、女子勢からここで改稿しろとお叱りの声が来たんだ 俺は気にしないんだが

言いたい事は分かる 特に恋愛系の書き手なら行動する時の心情を描写する手法だ

人物に対する深掘りとか、細かく説明するほど小説らしい文章にはなりやすい――


「ダメだな、性格に似合わないのだ ワシは今のスタイルで一向に構わん」仙人役

「わはは、痛い部分を指摘されたなー セリフで推して参るとかで誤魔化せ」戦士


と、何故かこうなる構文なのだよ! どうせ手記は丸投げされた感だから続けてる

ある議員は力はパワーですとか言いやがる、このままではいけない、そう思ってる

だからどうしたいのか聞きたいのだが・・・クソな例をあげてもキリが無い今話だ


「あほか! 奥に食堂がどうとかだったのに、無駄に尺を稼ごうと見え見えなのよ

テンポよく進めないと離脱されるっての 直さなくていいから、やる気あるの?」


また杖を振り上げてパワハラかよ、どうして若手が逃げるか先輩方も自重するべき

あー、お城の中ですねー そして食堂へ進むと太った商人風のおっさんが豪遊風景

広めのテーブルに喰い切れないほどの豪勢な料理、高そうなワインやらがぶ飲み図

さぞや実入りがいいんだろな、軽く嘲笑する視線で質問を見下しそうな準備中――


「ふほっほ♪ 何だねチミ達は? 全く、陛下も気の小さいお方だ 貿易こそ財源

世の中は経済の潤滑を求める、黒騎士団など小物 王都の利点を理解しておらん」

「で、あんたは城の助言役か何かか 庶民はこのオヤジほど楽な生活などムリだろ

上級国民は食費など知った事ではないだろうが・・・まあ、部外者だし」ジャンゴ


いわゆる豪商人、国政に口出しするにはとにかく影響力と財力 狙ってやがるだろ

こんな奴を側近につけたら衰退はあっという間、人材派遣でいくら中抜きしてるか

俺達のスポンサーは間違いなくセレナさん以外ない 他はワーキングプアだからだ

裸一貫から成り上がりなどほぼ無理ゲー、マーシャが守銭奴なのは当然の節約――


「だって錬金術師でしょあの人、君等に同行しろって言われたし」いくら貰った?

「! 馬鹿者、心意気の話題など無粋な真似はしない事だ」リオ師もそうなんだろ


な、無料で冒険に二人がついて来る時点で変だと思わないか もう組み込まれてる

俺達は砂漠で襲撃されてるから流れ的にはおかしくはねえけど、彼女は大物の枠だ

こっちの魔女が黄金の石板を入手して後戻り出来んぜ、腹だけは速めに括っておけ

口に出さない侍の氣が告げる・・・どこまで強くなるかの修行だけならいいんだが


「そろそろ挨拶に行った方がいいんじゃねえの? 中央の間に戻れよ」仲間を正す


流石、表面上は動じないサムライ メンバーは渋々赤い絨毯を進んで行く事になる

王座に腰かけている若い人物が見えて来る、すぐ横にナイト風の甲冑が護衛してる

こちらに気が付いて無言の様子見、マーシャが一歩だけ前に出たが 先に制される


「私ではなく陛下に謁見ではないのか、旅の兵士か君達 迂闊な行動は控えておけ

緊急会議は解かれている・・・今はそれ以上の事は言えんな」親衛隊クラスの男だ

「だってさ、魔術師が鞄をごそごそしてるけど 正統派の騎士っぽいねこの人だけ

分村から報告に来たんじゃないっけ? ブリタニアの方がいいのに」しつこいラン


剣に手をかけようと緊張が走る御前、今度は王都の主人が待てとの仕草 危ねえな

何故か背後から魔女を羽交い絞めし出したリオ師匠だ! ある意味好機と見たか?

ここでライバル視してるババアを葬るシーンも有り得なくはない、のワンチャンス


「現在ラテマを預かっている、私がマレスだ 別に陛下扱いしなくていい、君達は

黒騎士団には敵対かな・・・城下の方から少々の話は漏れていたのでな」の情報通


廃墟への調査団の遅れを通達される、件の緊急会議がらみらしい 身内で乱闘中!

強引に振りほどいたが顔を殴られて出血する「だ、大丈夫よ まだお姉さんだし」

肉弾戦では不利なマーシャだった、あとで覚えてろと 師匠の捨て台詞が更に痛い

バカかよ、何してんだって! ジャンゴが二人を引き離す、余計な体力を使うなよ


「・・・ゴホン、乱心は収まったかね? 中々印象は強めな連中だ、話を進めるが

王都はゼル側、黒騎士団と実質戦闘状態だ 恐らく道中で理解してるな君等は」!

「ああ、手下の一人が調査対象の奥地に隠れてやがってよ マレスに言っとけとさ

戦利品はうちの魔術師が回収したぜ 分村の責任者が書状を寄こした」俺のセリフ


説明しているのにメンチ顔の巫女、何だよ 仕事してるのに余計な事言うなの視線

勝手に順位をつけてたよな?「ひょっとして居たのはザレッリか」王様が割り込む

そしてレンジャーに見せ場を横取りされる不始末だった 脇役確定にしたいらしい

クソ、ちょっと待てよお前等 今度は何故か魔女が口を塞ごうとする、報復を――


「無愛想なクセに喋らせないでよ、奥地で緑色の球体を見つけたよ 保管中なの」

「せや、きよしは暫く黙っとくのがええねん 調子に乗らせたらあかんよ」畜生が


現物を提示されて 意外な表情で固まる王様、黄金の石板ほどのブツじゃねえだろ

使い方などもちろん知らないメンバー「君等が入手したのは精霊の石だよ、多分」

人間には手に余る宝だそうで、一応マーシャの鑑定は 正解って事になるんだが?


「それは他にもあるのか、緑色だけだ 無くてもワシは一向に構わん」武闘派よな

「待てよおばさん、俺達はもう関わってる それだと進行しないだろ」戦士の疑念


自重を余儀なくされる手記係は辛い 内容が気に召さない仲間が途中で絶対に出る


           ~異界の覇道記 WEB版 次回へ~

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