良きソマリア人の ホーリツ?
床の間ん
第1話 良き「ソ」マリア人の
友達は話す
友達「えっとねー、アメリカにはねー、 良きソマリア人の法…
っていうホーリツがあるんだってさー」
あたしの頭の中に、アメリカが浮かぶ。
−−−−−−− アメリカ −−−−−−
すっごい日焼けしたほとんどボウズ頭の背の高い人、お父さんみたいなスーツを着てる
お父さんよりずっと背が高い
アメリカの大っきな旗、
ステージで校長先生が話すみたいな台、
マイクがたくさんある。
そこに立って、こぶしを握って英語を話す
カメラのフラッシュが バシャバシャッ!!!
たくさんの大声が オーーー! みんな拍手が パチパチパチパチパチ!
−−−− アメリカ… −−−−−
すっごい広いとこで、
大きなツバ付き帽子を被って、手のことにヒラヒラがいっぱい付いた服を着たオジサン、
馬に乗ってて ヒヒーン!
金色のマユゲを片方だけ ビクン!
ヘイ! バキューーン! ピストルを撃つの。
沢山の大きな牛たちが
ドドドドドドって地面をゆらす
(カチカチカタカチ…)友達の押す自転車から音がする。
友達は続ける
友達「んっとねー、人を助けたくてしたことには、
わざとじゃなければ、
もし悪くなっても許してあげてって。」
あたしの頭の中に、ソマリア人っていうすっごいいい人が
浮かぶ。
テレビでやってたもん。
ソマリアってところ、海に海賊がいるって。
おっきな昔の船で、ドクロマークの旗が付いてる。ソマリア人は大声だ。
アイアイサー!
オカシラーーー!
オカシラは、ドクロマークの大きな黒い帽子にヒゲ、眼帯をしてピストルと剣を持ってる。おっかない。
海がザッパーーーン
おっきい船がギイイイイ 波を切る
船の先っぽにオカシラが立ってる
腕を組んで真っすぐに
青い海がザッパーーーンっていう
太陽がまぶしい
きっと、強くて優しい海賊だ。
あたしは言った。
「そっかーーー」
田んぼの砂利道を歩くあたしと友達を、夕日が照らす。
ぁ、赤とんぼ
友達「ホントだ!」
アメリカも
オヤカタも、
もう、風に溶けちゃった。
−−−−良き「サ」マリア人の法−−−−
まだ小さな二人に、これからどんな運命が待っているのか。
今はまだわからない。
助けたくてしたことが、
もし悪かったら、
責められるかも、後悔するかもなんて思って
手を引っ込めて下を向く自分を思い浮かべるのは
今はまだ
ほんの −−−− 少しだけ
早いようだ。
おわり
良きソマリア人の ホーリツ? 床の間ん @tokonoman
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