異星探索のために航行中の宇宙船が辿り着いた星は、魔法に妖精にドラゴン、さらにはドワーフやエルフが住む「ファンタジー」な惑星だった。そんなところに墜落してしまったら、いったいどうなる??
そんなこの作品の面白さは「SF」と「ファンタジー」の融合。異世界ファンタジー的世界が舞台ですのでジャンルこそ「異世界ファンタジー」ですが、二つのジャンルの要素が上手く絡められ、「いいとこ取り」の楽しさが味わえます。
さらに面白いというか「素敵だな」と思えるのは、人間と異世界人の異文化交流の様子が丹念に描かれているところ。技術も文化も生物的要素も、お互い、何もかもが未知。お互いを見交わす視線は好奇心だったり、尽きない興味だったり、友好的交流であったり、または疑いの眼差しであったり。時にあたたかく、時に一筋縄ではいかない相互の交流が「ああ、こういうことありそう」と、とてもリアル。
それでも根底に流れるものは敵対と反発、相手を抑圧しようとする意識ではなく、「お互いを深く知った上で最善を尽くそう」とする理性であるのが心地よい。だから、これはとても理知的な物語だと感じます。さらに言えば、正反対の者どもが奏でるセッションとはこんなに楽しいものか、という爽快感。
ドラゴンが舞う空をドローンが飛び、魔法が効力を持つダンジョンやドワーフの街でロボットが蠢く。この唯一無二の世界で、ふたつの異なる存在たちはどう協力し、どんな関係を紡いでいくのか。そして主人公たちはこの星から無事に帰還できるのか。
見どころたくさん、ストーリーの行末に興味津々。みなさまもどうぞこのわくわくを共有してください。
文明の発展は人へと多くの利便性を与えます。
同時に必要となるのは、それらのための資源。
そしてそれらを自身で賄えなくなるならば、外へと求めていくわけで……。
そんな開拓調査のための宇宙船、フィアーピッカー号の一員であるキウリャとヂンペーの活躍を私たちは見守っていくこととなります。
未知の惑星に到着するものの、自分たちの知る科学文明とは異なる、剣と魔法の力により宇宙船は墜落。
仲間とも分断された二人は、仲間との合流と母星への帰還を目指し、行動を開始していきます。
彼らを監視兼サポートをしてくれる妖精のチッチィ、穏やかながらも強大な戦闘能力を持つ戦士ズカイナル。
異なる価値観をそれぞれに持ちながらも、彼ら異星人と時に交流をもってそれを理解し、時にぶつかり合いながら互いの思いを知り、キウリャたちはその足を止めることなく、様々な出来事に遭遇していくことになります。
さて、彼らの進む先に待つものとは?
その答えはぜひ、皆様自身の目でご確認くださいませ!
『飛べない鳥のセッション』は、SFとファンタジーの「おいしいところ」をぎゅっと詰め込んだ異文化バディ冒険譚です🛸⚔️
宇宙船ごと撃ち落とされ、剣と魔法の世界に放り込まれた調査隊――という時点でワクワクが止まらないのですが、そこで終わらず、「科学文明側」と「魔法文明側」の価値観や常識のズレを、物語としてしっかり描き切ろうとしているのが好印象です📚🌟
ただ強い敵と戦って倒すだけではなく、「この世界のルールでは何が正しいのか?」「こちらの“当たり前”は、本当に普遍なのか?」と問いかけてくる感じが、読み味に奥行きを与えています🌍💫
撃ち落とされて“飛べなくなった宇宙船”、自分たちの技術が通用しない“未知の世界”、思い描いていたキャリアや理想から外れてしまった“人としての挫折”――そうしたもの全部が「飛べない鳥」に重ねられているように感じました🐦🎶
けれど、飛べないからといって終わりではなく、地面を歩きながらでも、現地の人々や文化と“セッション”するように関わっていく。音楽のセッションのように、相手の音(=価値観)を聴き、自分の音(=科学や信念)を重ねていく。そのイメージが物語全体に流れていて、「未知の世界を力でねじ伏せる」のではなく、「違いを抱えたまま共鳴しようとする」姿勢がとても心地よかったです🎷🌈