第1話

俺は赤陽層で事故があってから樹海層でみんなと仲良く暮らしていた。

「やぁレオン。今からどこに行くんだ」

この町の住人サリクさんに声をかけられた。

「こんにちは、サリクさん。今から八百屋にりんごを買いに行くんだよ」

おぉそうかといい去って行った。

さて行くか。

『おーい!大変だー!』

何の騒ぎだ?

『侵蝕災(シアン・ロット)が層界に発生したぞー!みんな逃げろー!』

「まさか⁉︎あの侵蝕災が!」

とうとうここにまで来てしまったのか。

侵蝕災とはこの世界のバグ、要するに世界の異常。そして最終的には塵となる。

世界で最も恐れられている災害だ。

どうすればいい。俺は戦士だがもう戦えない。このまま塵となるまで待っておくことしかできないのか。

ドクッ

「ゔ」

なんだ。何だか苦しいこれは何だ。

「ん」

なんか急に軽くなった。

この感覚は何だ。奥から込み上げてくるこの感覚は!

気づくと手から炎が出ていた

「手から炎が…」

なぜこの手から炎が出ているのだ。

「おい、にいちゃん!はやく逃げねーと灰晶層に落ちて、もう二度と戻れなくなるぞ!」

この感じ。いけるような気がする。

「ダメ!」

女の子の声がした。

「ダメ。あなたの力はこの私がいないと意味はない。」

誰だあの少女は。

「君は誰だ!」

「私はミラ。ミラ・アルシル・ウロボロス。層界の“自動修復プログラム”が生んだ擬似生命体。あなたには逆燃命火(リヴァース・フレア)が流れているの。」

自動修復プログラム?疑似生命体?何を言っているのか俺にはわからない。

「逆燃命火?なんだそれは」

「逆燃命火とは失われた炎脈が、侵蝕災に共鳴して再燃しはじめる。その代わりにあなたの寿命が犠牲になる。それが逆燃命火。」

そして俺はそれを扱えるのだという。

本当に意味が分からない

ミラは言う

「世界を救えるのは、死に向かって進める者だけ。」

そしてレオンは“寿命と引き換えに戦う”決意を固める

「俺はこの世界を守るためには俺の寿命だろうが何だろうが犠牲にする。」

「いい回答ね。あなたは私の能力に意味を与えてくれる。その役目が”命火”」

ミラの掌から淡い光が零れる。

それは言葉でも、記号でもない。

ただ、世界そのものを形づくった最初の“線”

そう呼ぶしかない。

空中に描かれた一本の線が、次の瞬間には樹海全体へと広がり、枝葉の隙間で静かに編み上がってゆく感じがした。

「これが……層界の“初期構造式”。みんなには見えないけど、これは世界が生まれる前に刻まれた線なの。」

俺にはその線は見えない。

見えないが存在は感じる。

「線を燃やすんじゃない。線の進む方向を、あなたが示すの。」

レオンの指先から落ちた一滴の炎が、

線に触れた瞬間——世界が音を立てた。

ジュッ、と焼ける音ではない。

むしろ逆だ。

燃えながら線が“形を取り戻す”音。

白い線が、炎に染められて赤金色へと変わり、

その光が樹海の奥へと走っていく。

「……これが、命火の役目……?」

炎は広がるほどに優しくなり、

世界の輪郭をなぞるように色をつけていった。

「レオン、今のまま保って……!あなたの炎が“道”を作ってくれている!」

ミラが指を翳すと、線の上に細かな光点が散り、

一つひとつが意味のないようで、

しかし確実に世界を修正していく。

線は燃え尽きたわけではなかった。

ただ、世界へと溶け込み——

元の位置に戻っていった。

樹々の色が戻り、虚数(ゼロ)化した枝が形を直す。

レオンの炎で描かれた線が、

“世界の骨格”になったのだと分かった。


世界が元に戻りレオンは腰を抜かした

「あらためて私はミラ。よろしく」

笑顔で手を差し伸べる彼女

「あぁ、俺はレオンだ。よろしく」

おれはミラの手を取った

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